🌾 天気データで収穫日を予測!農家のためのAIアプリ開発入門
積算温度 × 天気API ― 「あと何日で収穫?」がスマホで分かる
コピペで使う
ブラウザで完成
API連携アプリ
「トマトの収穫、今年はいつ頃だろう?」
毎年なんとなく「そろそろかな」で判断していませんか?
実は、毎日の気温を足していくだけで、収穫時期をかなり正確に予測できます。
これを「積算温度」と言います。
今回は、この積算温度の計算を天気データと組み合わせて自動化するアプリを、Google AI Studioで作ります。
前回のBuildモード記事で学んだ「作って→確認→修正」のサイクルを使って、約1時間で完成させましょう。
- 積算温度(GDD)の基本的な考え方
- 天気API(OpenWeatherMap)の無料登録方法
- AI Studio Buildモードで天気データを取り込むアプリの作り方
- 作ったアプリをスマホで使う方法
熊本市で4月25日に定植した大玉トマト(桃太郎系)が、あと何日で収穫できるか予測します。
あと約 34 日
📅 7月下旬ごろ収穫予定
🌡️ 積算温度ってなに?(5分で理解)
「畑の貯金箱」のようなもの。
毎日の気温がコインで、一定額貯まったら「収穫OK」のサインが出る。
正式名称はGDD(Growing Degree Days)。作物ごとに「目標額(必要な積算温度)」が決まっています。
春キャベツ900℃5℃60〜80日
| 作物 | 必要な積算温度(目安) | 基準温度 | 定植→収穫の目安 |
|---|---|---|---|
| 🍅 トマト(大玉) | 1,100℃ | 10℃ | 60〜80日 |
| 🥒 きゅうり | 900℃ | 10℃ | 35〜45日 |
| 🫘 枝豆(早生種) | 850℃ | 10℃ | 80〜90日 |
| 🌾 水稲(コシヒカリ) | 1,050℃ | 10℃ | 120〜140日 |
※ マイナスになったら0とする(寒い日は貯金ゼロ)
6月下旬、平均気温25℃の日の場合:
GDD = 25℃ − 10℃(基準温度)= 15℃ / 日
もし残り500℃分の「貯金」が必要なら:
500℃ ÷ 15℃ = 約34日 → 7月下旬に収穫!
※ 実際の大玉トマトの収穫時期(7月中旬〜8月)とほぼ一致します。
🔑 天気APIの準備(10分 + 待ち時間20分)
このアプリは天気予報データを使って収穫日を予測します。そのために「OpenWeatherMap」という無料サービスに登録し、APIキーを取得します。
「会員証」のようなもの。
会員証(APIキー)を見せることで、天気データを無料で受け取れます。1日1,000回まで無料。
OpenWeatherMap を選ぶ理由
- ✅ 無料プランで十分(1日1,000回まで)
- ✅ 登録はメールアドレスだけ
- ✅ 日本語の地名で検索できる
- ✅ 現在の天気 + 5日間の天気予報が取得できる
APIキーの取得手順
10分
- openweathermap.org にアクセス
- 「Sign Up」から無料アカウントを作成
- 登録メールアドレスに届く確認メールを承認
- ログイン後、「API keys」タブからAPIキーをコピー
- メモ帳にAPIキーを保存しておく

APIキーは発行された直後には使えません。OpenWeatherMap側で有効化されるまで10〜30分(平均20分程度)の待ち時間があります。
登録 & キー発行
約20分待ち
利用可能!
💡 待ち時間を有効活用しましょう!
この間に次のセクションの「フェーズ1:手入力版」を先に作れます。天気APIを使わない手入力版だけでも十分に動くアプリが完成しますので、待ち時間はゼロです。
他人に教えない、SNSに貼らない、公開しないでください。
🔨 アプリを作ろう!(30分)
ここからはAI Studio Buildモードを使って、3つのフェーズに分けてアプリを作ります。
手入力版
10分
API連携
15分
見た目調整
5分
まず「手入力版」を作る
10分
APIキーの有効化を待つ間に、天気APIなしで動く「手入力版」を先に作りましょう。
積算温度で収穫日を予測するアプリを作ってください。
機能:
– 作物を選ぶドロップダウン(トマト、きゅうり、枝豆、水稲、春キャベツ)
– 作物ごとに必要な積算温度と基準温度が自動設定される
・トマト(大玉): 目標1,100℃ / 基準10℃
・きゅうり: 目標900℃ / 基準10℃
・枝豆(早生種): 目標850℃ / 基準10℃
・水稲(コシヒカリ): 目標1,050℃ / 基準10℃
・春キャベツ(早生種): 目標900℃ / 基準5℃
– 作物を選んだとき、アイコンと補足情報を表示
・🍅 トマト「第1花房の開花から約50〜60日で収穫開始」
・🥒 きゅうり「開花から約7〜10日で収穫適期」
・🫘 枝豆「莢がふくらんで豆が飛び出すころが収穫適期」
・🌾 水稲「出穂後の積算温度が約1,000℃で刈り取り適期」
・🥬 春キャベツ「結球がしっかり硬くなり、押して弾力を感じたら収穫適期」
– 定植日(植えた日)を入力する欄
– 「今日までの積算温度」を手入力する欄
– 「予測する」ボタンを押すと:
– 現在の進捗(○○%)をプログレスバーで表示
– 「あと約○日で収穫予定」と表示
– 予測収穫日を「○月○日ごろ」で表示
計算ロジック(重要):
1日あたりのGDD = 予測平均気温 − 基準温度
※GDDが0未満の場合は0とする
残り日数 = 残り必要積算温度 ÷ 1日あたりのGDD
※手入力版では「予測平均気温」は過去の平均から仮置き(20℃)
デフォルト値(トマトのデモ用):
作物: トマト
定植日: 2026年4月25日
今日までの積算温度: 600℃
デザイン:
– 緑を基調とした農業らしいデザイン
– スマホでも見やすい大きな文字
– タイトルは「かんたん収穫予測」
– 結果は大きな文字で表示
いきなり全部盛りにしない。農薬散布と同じで、少量ずつ、確認しながら進めるのが基本です。(Step 2の復習!)
フェーズ1:手入力版の完成画面

天気APIをつなげる
15分
手入力版が動いたら、次は天気データを自動取得する機能を追加します。
以下の機能を追加してください。
1. 地域を入力する欄を追加(例:「熊本市」「千葉市」)
2. OpenWeatherMapのAPIキーを入力する欄を追加
3. 「天気データ取得」ボタンを押すと:
– その地域の現在の気温を取得して表示
– 過去のデータは手入力のまま残す
4. 5日間の天気予報も取得して、予測平均気温を算出
5. 算出ロジックの修正(重要):
1日あたりのGDD = 天気予報の予測平均気温 − 基準温度
※GDDが0未満なら0
残り日数 = 残り必要積算温度 ÷ 1日あたりのGDD
予測収穫日 = 今日 + 残り日数
6. 算出ロジック詳細を以下の形式で表示:
・作物 / 基準温度 / 目標積算温度
・現在の積算温度(入力値)
・残り必要積算温度
・天気予報からの予測平均気温
・1日あたりのGDD
・計算式: 残り○○℃ ÷ GDD○○℃ ≒ ○○日
・予測収穫日: ○月○日ごろ
APIキーの使い方:
– Current Weather API:
https://api.openweathermap.org/data/2.5/weather?q={都市名},JP&appid={APIキー}&units=metric&lang=ja
– 5 Day Forecast API:
https://api.openweathermap.org/data/2.5/forecast?q={都市名},JP&appid={APIキー}&units=metric&lang=ja
トマト(大玉・桃太郎系)の予測結果例
日後に収穫
| 作物 | 🍅 トマト(大玉) |
| 基準温度 | 10℃ |
| 目標積算温度 | 1,100℃ |
| 現在の積算温度 | 600℃(入力値) |
| 残り必要積算温度 | 500℃ |
| 天気予報の予測平均気温 | 25.0℃ |
| 1日あたりのGDD | 25.0℃ − 10℃ = 15.0℃ |
| 計算式 | 500℃ ÷ 15.0℃ ≒ 約34日 |
| 予測収穫日 | 7月下旬ごろ |
フェーズ2:天気API連携後の画面

見た目を整える
5分
– プログレスバーの色を進捗率で変える
(30%未満=黄色、30-70%=緑、70%以上=オレンジ)
– 天気情報のエリアに天気アイコンを表示
– 予測結果を大きなカード形式で目立たせる
– 「収穫まであと○日」を画面内で最も大きな文字にする
– 予測収穫日をカレンダーアイコン📅付きで表示
– 作物選択に合わせてアイコンを表示
(🍅トマト、🥒きゅうり、🫘枝豆、🌾水稲、🥬キャベツ)
フェーズ3:デザイン調整後の最終版

✅ 完成!使い方のまとめ
スマホで
アプリを開く
天気データ
を取得
「あと○日」
を確認
作業計画
を立てる
📐 ステップアップのヒント
「もっとやりたい!」という方へ:
| レベル | やること | AIへの指示の例 |
|---|---|---|
| ★☆☆ | 作物を追加する | 「ナスとピーマンも追加して、積算温度は○℃」 |
| ★★☆ | 複数の圃場を管理 | 「圃場A・B・Cをタブで切り替えられるように」 |
| ★★★ | 過去の気温を自動計算 | 「定植日から今日までの気温を自動で取得して積算して」 (※有料APIが必要な場合あり) |
⚠️ 知っておきたい注意点
日照時間や土壌条件でも収穫時期は変わります。実際の収穫判断は必ず自分の目で確認してください。
Deployする場合、APIキーがコードに含まれる点に注意。個人利用の範囲で使いましょう。大人数で共有する場合はサーバー側での処理を推奨します。
1日1,000回まで。個人利用なら十分ですが、多人数で共有するなら有料プランを検討してください。
5日先の気温は変わる可能性あり。毎日アプリを開いて更新することで、予測精度が上がります。
まとめ
- 積算温度 = 毎日の気温を足していくだけのシンプルな計算(「畑の貯金箱」)
- OpenWeatherMap の無料APIで天気データを自動取得(登録→約20分でAPIキー有効化)
- AI Studio Buildモードで「手入力版」→「API連携版」と段階的に開発
- トマトの事例:積算温度600℃、予測平均気温25℃ → あと約34日(7月下旬)で収穫(実際の収穫時期と一致)
- 完成したアプリはDeployして、スマホからいつでもチェック
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