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岐阜県関市 ひつじ工房Quill (人と羊を繋げる羊飼い)

岐阜県関市 ひつじ工房Quill

丸岡 圭一(まるおか けいいち)

岐阜と愛知で活動している羊飼い。素材となるひつじからはじまり
まわりの環境にも配慮し、大切に使い続けたいと思える”もの作り”を
常に心がけて取り組んでいます。
DAOやNFTを活かして、人と羊がより身近な存在になれないかを
模索中です。

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Twitter:https://twitter.com/hituji_maruoka
Instagram:https://www.instagram.com/maruokakeiichi/

羊飼いへのストーリー 羊飼いへ Story

私が羊に関わり始めたのは約20年前。動物の飼育を学ぶ学校を卒業し、勤めはじめた牧場からでした。 動物の飼育を学んできたということは、動物が好きで入ってきたのかな?と思われがちですが、そんなことは全くなく、私はあまり動物には興味がありません(笑) 。単純に外で体を動かす仕事がしたかったので、自由でのんびりと過ごせるような仕事はないかな〜と頭をよぎったのが「牧場」というワードでした。始まりはホント、それだけのゆるい気持ちです。私が卒業したのは、動物園やふれあい施設、ペットショップなどの知識を学ぶ学校でした。一応家畜のことも学べましたが、動物園を主に学ぶための学校でした。 なので、私はいわゆる”生産者から見た家畜の在り方”とは、少し違う角度から物事を考える羊飼いだと自分では捉えています。 そんな私が羊に対して本気で向き合うようになったのは、子供たちに「ひつじ」を説明しようと思ったからです。

私が勤める牧場は観光地でもあるため、一般のお客様がたくさん来ます。そこで羊について解説したり、家畜としての役割などをお話するのが業務となる訳ですが。先にお話した通り、日本の羊たちは、あまり羊らしい扱いを受けていません。 私ももれなくその内の1人で、毎年春になると飼育している羊たちの毛刈りを子供たちに見せては「この毛を使って服を作るんだよ〜」と口では言いながらも、裏では廃棄処分を繰り返していました。 どこの園も牧場もみんなそんな感じだったので、それが当たり前だと認識していたのです。 でもそこで気付きました。 家畜を説明する役割の自分がそんなんだから、日本は羊大国なのに誰も羊を知らないのだと。 それに気付いたのが5年前。今は自分を羊飼いと名乗り、人と羊を繋げることを目的に活動しています。

羊業界の現状と課題ploblem

日本で飼育されている牛は約4,000万頭。それに比べて羊は約2万頭。数で分かるように、日本にはまだ羊は根付いていません。人と羊は1万年も昔から生活を共にしてきた古き友です。ですが、日本に入ってきたのはほんの100年前と言われています。日本で飼育されている牛は約4,000万頭。それに比べて羊は約2万頭。数で分かるように、日本にはまだ羊は根付いていません。人と羊は1万年も昔から生活を共にしてきた古き友です。ですが、日本に入ってきたのはほんの100年前と言われています。まだまだ根付いていないのも分からなくもない。今はそんな感じです。 でも不思議なことに、日本は世界から見ると羊大国なのです。 1人あたりの羊毛消費量は世界一と言われており、羊毛の毛織物技術においては「世界三大毛織物産地」のひとつとして知られています。海外で名のある高級ブランドの布地は、日本で作られている物も多いのです。

つまり世界から見て日本は、ウールが大好きな国なのです。 ↑これが現状、ざっくりとしたイメージです。 そしてこっからが課題↓ みなさんウール大好きですか?羊毛大国である日本のみなさん。今日もウール着てますか? 答えは”え?”です。 知らないですよね。私も羊を20年育ててきましたが、これを知ったのはつい最近です。そこが今の羊業界の最大の課題です。 日本には羊が約2万頭います。年間にして約4万トンの羊毛が採れる計算です。しかしそのほとんどは、使われることなく廃棄処分されています。国内に流通しているウール製品の99%は、海外産の羊毛を使っています。 ウールが大好きだと思われている国なのに、誰もウールに興味がない。飼育している人でさえも捨てているのが現状です。 今では産地としての技術もどんどん失われていき、1万年続いてきた人と羊の歴史が、ついに終わりを迎えようとしています。

今取り組んでいること、これから取り組みたいことchallenge

羊を発信しようにも、羊業界で無名だった私は、それなりに自分の立ち位置を高める必要がありました。 そこで、国産羊毛コンクールという、全国の羊飼いが出品する羊毛の品評会に参加し、知識と経験を得ながら、金賞をいただけるまでになることが出来ました。 そして始めたのが「ひつじフェスタ」です。今回で5回目になります。これで、ある程度はひつじを伝えるための土台作りは整ったかなと思っています。 しかしここからが本題です。 どんなに良い素材で作られていても、売れなければ廃棄処分されるのがアパレル業界での常識です。 ウールは超がつくほどの高級素材です。取れる量も少なく、繊維としての機能も大変優れており、ウール を超える繊維は存在しないとも言われています。 高級ブランド、高級婦人服はウールを使っていることが多いのもその理由。 私が育てた羊から羊毛を刈り取り、洗い、紡ぎ、編み、1枚のセーターを作るのにかかる日数は約1年半。 例え、 “セーター1着10万円で〜す❗️” と言われても、なかなか買えない金額だと思います。 でも本当はもっと掛かっています。

羊の餌代、糸を紡ぐ時間、編む時間、全てにたくさんの人の手やコストがかかっています。セーター1着10万円でも割に合わないのが現状なのです。 だから誰も手を出さない。 やればやるだけ赤になるなら、刈り取った羊毛をそのまま畑に撒いて土に還した方が、よっぽど環境にも優しいSDGsです。 10万円の価値のあるセーターを作ったとしても、売れなければ廃棄処分されてしまいますからね。
羊毛はラグジュアリー商品としての相性が抜群に良さそうだなというところです。 なので今私は、いかにして人と羊を特別な関係性に結びつけることが出来るのかを模索しています。 NFTもそのひとつ。 色々と試してみたいなと思っていますので、どうぞ楽しみながらお付き合いください!

受賞実績feeling

第10回 国産羊毛コンクール(Fleece of the Year 2020)金賞受賞
第11回 国産羊毛コンクール(Fleece of the Year 2021)金賞受賞
第12回 国産羊毛コンクール(Fleece of the Year 2022)金賞受賞

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