【第1回】1日300kgの選果が止まらない! 北海道のプルーン農園でインターンが見た「選果の壁」

連載
スマホでプルーンAI選果に挑む

第1回/全3回

🧪 実践検証
初級

1日300kgの選果が止まらない——北海道のプルーン農園でインターンが見た「選果の壁」

〜 農業AI通信インターン・yamonが、実家の農園で”AI選果”に挑む 〜

「見た目のチェック」と「重さ合わせ」を同時にやると、頭がパンクする——。

農業AI通信インターンのyamonが、実家である北海道余市町のプルーン農園で「AIによる選果補助」を実地検証しました。

全3回の連載でお届けします。第1回は、検証の舞台となる農園と「なぜAI選果を試そうと思ったのか」という現場の課題編です。

第1回
今回のテーマ

農園の紹介と、選果現場の課題

1日300kg・約80箱。プルーン選果の何が大変なのかを言葉にし、「AIに任せられるか?」という問いを立てます。

農業AI通信インターン・yamonのプロフィール写真

🫐 yamon

立場
農業AI通信インターン
検証の舞台
北海道余市町・PINK ORCHARDS(実家/家族経営)
主な作物
プルーン(主力)、醸造用リンゴ
体制
家族に加え、アルバイト・ボランティアが作業を支える
特徴
前の農園主から引き継いだプルーンを主力に、農薬をなるべく減らす栽培に取り組む(「くらしごと」紹介記事

🎯 この記事でわかること

  • 家族経営のプルーン農園の選果現場で、実際に起きていること
  • 選果を大変にしている「二重判断」の正体
  • 自分の農園の「規格外基準」を言葉にする方法と、その効果
  • 次回検証する「AIに見た目チェックを任せる」という問い

1) 検証の舞台:余市町のプルーン農園「PINK ORCHARDS」

今回の連載は、インターンのyamonが実家の農園で行った検証がテーマです。まず、農園の紹介からお願いします。

yamonのアイコン

yamon

実家は北海道余市町の果樹園「PINK ORCHARDS(ピンクオーチャード)」です。前の農園主から引き継いだプルーンが主力で、醸造用のリンゴも栽培しています。

体制は家族経営で、収穫期はアルバイトやボランティアの方が作業を支えてくれています。農薬をなるべく減らす栽培に取り組んでいるのも特徴です。

選果机の上でプルーンを手作業で選別している様子。コンテナに入った濃紫色のプルーンと作業者の手元のみが写っている

ピーク時は1日約300kg・約80箱を選果する

2) 1日300kg・約80箱。選果の何が大変なのか

収穫期の選果は、どれくらいの量を扱うんですか?

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yamon

ピーク時には1日約300kg、約80箱分のプルーンを選果します。

300kg
ピーク時の1日の選果量
80
1日の出荷箱数
2
同時に回す判断(見た目×重量)

量だけでなく、作業の「質」も大変だと聞きました。

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yamon

プルーンの選果は、「見た目の確認(傷・変形・病気のチェック)」と「出荷規格に合わせた重量調整」を並行して行うんです。

頭の中で2つの判断を同時に回すので、手が止まりやすい。ここが選果の一番の壁だと感じています。

選果の壁=二重判断:「この実は傷がないか?」という目視チェックと、「規格に合う重さの組み合わせは?」という計算を、同時にやり続けなければならない。

3) 農園の「規格外基準」を言葉にしてみた

AIの話に入る前に、そもそも「規格外」の基準はどう決まっているんですか?

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yamon

実は、これまで明文化されていませんでした。家族の頭の中にある「暗黙知」だったんです。

今回、検証の準備として、農園の基準を初めて言葉にしました

✅ 合格

  • 正常な楕円形・卵型
  • わずかな左右非対称(自然な個体差)
  • ブルーム(白い粉)が付いている
  • 軽微なかさぶた状の擦れ

❌ 規格外

  • 割れ・深い亀裂(裂果)
  • 片側が極端に潰れたような凹み
  • ひょうたん状・ハート型の著しい歪み

言葉にしてみて、気づいたことはありましたか?

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yamon

これが想像以上に価値がありました。「何をもって規格外とするか」を言葉にすること自体が、家族やアルバイトさんとの基準共有ツールになるんです。

ブルーム(白い粉)は汚れではなく正常、というような「知っている人には当たり前」の基準こそ、言葉にする意味がありました。

4) 問い:「見た目の判定」をAIに任せたら、作業は速くなるのか?

それで、AIの検証につながるわけですね。

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yamon

はい。二重判断のうち、「見た目の判定」をAIに任せられれば、人は重量調整に集中できるのでは?と考えました。

そこで立てた問いがこれです。「見た目の判定をAIに任せれば、収穫から出荷までの作業全体は本当に速くなるのか」

次回は、この問いを手持ちのスマホと無料で試せるAIで検証していきます。結果は……正直、驚きと苦労の連続でした(笑)。

まとめ

  • 舞台は北海道余市町のPINK ORCHARDS。家族経営+アルバイト・ボランティア体制
  • ピーク時は1日約300kg・約80箱。「見た目の確認」と「重量調整」の二重判断が選果の壁
  • 検証準備として農園の規格外基準を言語化。それ自体が家族・アルバイトとの基準共有ツールになった
  • 問い:「見た目の判定をAIに任せれば、作業全体は本当に速くなるのか?」→第2回で検証

5分で試せるアクション:自分の農園の「規格外基準」を3行で言葉にしてみる

AIはまだ使いません。まずは紙とペン(またはスマホのメモ)だけでOKです。

コピペ用:うちの農園の規格外基準メモ
【うちの農園の規格外基準メモ】
・合格でも出る特徴(例:ブルーム=白い粉は正常):
・規格外の基準1(例:割れ・深い亀裂):
・規格外の基準2(例:極端な変形・潰れ):

ポイント:書いた3行を家族や作業メンバーに見せて、認識がズレていないか確かめてみてください。この言語化が、連載後半で「AIへの指示文」にそのまま活きてきます。

第2回
次回予告

海外ではスマホ選果が始まっている——ならば無料AIで再現できるか試してみた

海外の果実スキャン事例をヒントに、スマホ+Gemini 3.6 Flashで「明らかな規格外」の判定に挑戦。見本6枚と判定ルールで、AIはどこまで見分けられるのか?

近日公開予定

📮

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📂 プルーンAI選果 検証記(全3回)

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