【第1弾】大分県宇佐市「ひろしま農園」紹介編 ── 全国金賞トマト農家の、 知られざる”アナログ経営”

🍅 連載:ひろしま農園の挑戦
Vol.1

🎤 農家インタビュー
🏅 メディアアンバサダー第1期
初級

全国金賞トマト農家の、
知られざる“アナログ経営”

── 大分・宇佐市「ひろしま農園」紹介編

#メディアアンバサダー
#トマト
#デジタル化

2026年3月、1通のメールが届いた。差出人は大分県宇佐市のトマト農家。栽培歴27年、全国トマト選手権金賞受賞者。しかし文面にはこうあった──「経営面は『昭和』のまま止まっています」

味は全国トップクラス、経営は電卓と手書き日誌。この圧倒的なギャップの向こうに、「自分を変えたい」という農家の覚悟があった。全3本の連載、その第1回として、出会いの記録をお届けする。

今回のテーマ

金賞の裏にあった「どんぶり勘定」と、夫婦の覚悟

栽培技術には心血を注ぎ、味では全国で金賞。でも経営管理は27年間アナログのまま。
その夫婦が「AIの力を借りて劇的に変わりたい」と動き出した、出会いの物語。

🍅

🧑‍🌾 農家プロフィール


🏆

第3回 全国トマト選手権
ミディアム部門 金賞(2024年/46品中)

農園名 ひろしま農園
所在地 大分県宇佐市
主な作物 トマト(11月〜6月)/フルーツトマト(3月〜5月)
栽培歴 約27年(2026年時点)
経歴 元サッカー選手 → 愛知・渥美半島で研修 → 新規就農
受賞 2024年 第3回全国トマト選手権 ミディアム部門 金賞

1997年、行政の支援も補助金も受けられず、父の退職金を原資にゼロからスタート。27年間ひたすら「美味しさ」だけを追い求め、糖度8度以上のフルーツトマトで全国金賞に到達した──そんな職人夫婦が、いま「経営」という新しい山に登り始めている。

🎯 この記事でわかること

  • メディアアンバサダーに届いた、ある農家の“本気の応募文”
  • 全国トマト選手権 金賞の裏側にある「どんぶり勘定」の経営実態
  • 「自分を変えたい」── 旦那様が初めて口にした覚悟
  • 「ここでチャンスをつかまずにいつやるのか」── 奥様が切り開いた変化の扉
🍅

📬 1. 1通の応募文から始まった

2026年3月19日。農業AI通信で実施していたメディアアンバサダープログラムに、1通の応募が届きました。

📩 応募文より

はじめまして。ひろしま農園と申します。大分県宇佐市のトマト栽培農家です。

1997年、行政の支援も補助金も受けられず、父の退職金を原資にゼロからスタートしました。27年間、『美味しさ』だけを追い求め、2024年には全国トマト選手権で金賞を受賞するまでになりました。

しかし、栽培技術に心血を注いできた一方で、作業記録は3年日誌のみです。経営面は『昭和』のまま止まっています。給与計算は今も電卓で行い、エクセルも未経験です。

エクセルすら使えない私たちだからこそ、AIの力を借りて劇的に変われるのではないか──そう考え、本プログラムへの応募を決意しました。

💡 心が動いた瞬間

全国トマト選手権 金賞。なのに「経営は昭和のまま」。このギャップと、文面から滲み出る覚悟に心を動かされ、即座に連絡。3月25日、オンラインで初めての打ち合わせをしました。

💻 2. 打ち合わせで見えた”リアル” ──「どんぶり勘定」で27年

画面越しに、廣島さんご夫婦が並んでいた。開口一番、旦那様がこう切り出した。

── 今、抱えている課題は?
課題として、僕らはアナログなので、それをデジタル化していきたい。デジタルデータが一つもないので、簡単に言うと“どんぶり勘定”で、今まで経験と勘だけを頼ってやってきまして。まぁそこが課題です。

元サッカー選手。愛知県渥美半島で研修を積み、「自分も美味しいトマトを作りたい」という一念で新規就農。父親の退職金と経営育成資金を合わせた約4,000万円でハウスを建て、栽培技術を磨き続けて27年。糖度8度以上のフルーツトマトで、2024年には全国トマト選手権ミディアム部門金賞(46品中)を獲得した。

📎 ソース:SHOKU「宇佐市 味こだわりの春トマト」九州農政局「大分の写真館」日本野菜ソムリエ協会 第3回全国トマト選手権

味は全国トップクラス。しかし経営管理は応募文の通りだった。スタッフ4〜5人への作業指示は毎日マンツーマンの口頭。スーパーとの直接取引もしているが、出荷量の予測はすべて勘頼みだ。

── 何が一番きついですか?
自分がいなくても農場が運営できるようにしたい。でもどうしても毎日、ここのハウスはこうして、こっちのハウスはこうして、と一個一個マンツーマンで伝える繰り返しになっている。

🎯 3. 3つの課題 ── 旦那様が迷いなく選んだ答え

打ち合わせで出てきた課題は3つだった。

01

積算温度で収穫時期を予測したい

トマトは花が咲いてから積算温度900〜1,000度で収穫できる。これを事前に把握できれば、スーパーさんに“今週は100ケースだけど、2週間後は200ケースに増えますよ”と伝えられるようになりたい。

宇佐市の過去の気象データとハウス内センサーのデータを突き合わせ、外気温との差分(A地点は外気+5度、B地点は+4度など)を把握する。それをもとに積算温度から収穫時期を予測し、出荷量を「読める農家」になる──。これが旦那様の一番の願いだった。

02

スタッフへの作業マニュアル化

自分がいなくても回る農場を作る仕組みづくり。実はすでに奥様がAIでクリップ作業のマニュアルを作成しており、手伝いに来ていたいとこへの指導に活用できた実績がある。

03

もっと多くの人にトマトを知ってもらいたい

27年間、おいしいトマトだけを目指して作り続けてきた。でもFacebookもInstagramも数十人程度しかアクセスがない。どうしたらもっと皆さんに知ってもらえるか。

SNSに関しては、信頼の土台を築き、認知をコツコツ広げていく── 良い苗は、良い土に植えてこそ育つように、発信も地道に育てていこう、というアプローチで合意した。

✨ 旦那様の言葉

食べていただいたお客さんが“毎年あそこのトマト待ってるよ”って言ってくれる。27年かけて育ててきたこの信頼こそが、すべての土台なんです。

短期間で結果が見えやすいのはマニュアル化。逆に一番時間がかかるのは積算温度──成果が出るまで2〜3年の長期テーマだ。それでも「どれにしますか?」と聞いたとき、奥様が旦那様の意向を代弁した。

── まずはどれに取り組みますか?
主人はやっぱり一番、温度・湿度、環境を整えたいということなので。
📍 この選択の意味

応募文にあった「90日間の挑戦」のうち、最も難しいテーマを真っ先に選ぶ。栽培は冬〜春の作型で今シーズンは6月下旬まで。7月に片付けと土づくり、9月上旬に次シーズンの植え付け。つまり今データを取り始め、半年蓄積して、次シーズンの予測に活かすという長期計画だ。それでも、今始めなければ始まらない。

🔥 4.「自分を変えたい」── 旦那様の覚悟

打ち合わせの終盤、もっとも印象に残った瞬間があった。旦那様がこう語り始めた。

どうしても個々の農家っていうのは毎年毎年の仕事で、やることの“型”としてはある。でも今これだけ急激に気温の変動が激しい中、これからも継続して作り続けていくためには、絶対必要なツールだなと。
妻がこうやって甲斐さんのところと知り合えたことは、本当に変わるきっかけ。ここでチャンスをつかまずに、いつじゃあやるのか。それぐらいの覚悟でやりたいと思っています。
⚡ 気づき

27年間の繰り返しを「型」と呼ぶ人が、「自分を変えたい」と言った。気候変動という、経験と勘だけでは乗り越えられない壁が、その言葉を引き出していた。

奥様の方も、背景をこう明かしてくれた。

今までの勘に頼るだけじゃなく、データを使ってやらんと本当に時代に取り遅れていくよ、と言って。この件に関しては、主人も後から知った時に、本当に自分を変えたい、変わりたいと、ここ1週間ぐらい感じていまして。

この言葉を聞いたとき、私は確信した。この人たちは本気だ。

🌸 5. 奥様が切り開いた扉

実は、すでに小さな革命は始まっていた。奥様は2025年11月からAIを学び始めていた。

2025.11
大分よろず支援拠点のAI相談(セキュリティ設定)に足を運ぶ
2025.12
NET AIセミナー(USUTAKU)を受講
継続中
農ビジVIP会員(月額1,100円)AI活用教室に月1回オンラインで参加
2026.1
宇佐商工会議所のAI活用セミナーに参加
2026.2
O-ITA AI CAFE(生成AI実務活用ワークショップ)に参加
2026.3
AIでクリップ作業のマニュアルを作成、いとこへの指導に活用。
Apple Watch音声入力システムを10時間以上かけて完成。
そして農業AI通信と出会う。

YouTubeでも独学を試みたが、何度も止まり、何度もつまずいた。それでも学び続けた奥様は、2026年3月、AIでクリップ作業のマニュアルを作成し、いとこへの指導に使えるまでになった。さらに同月、Apple Watchの音声入力に挑む。

超アナログな私が、3日間、泣きたくなるぐらい頑張って、合計13時間〜16時間かけて、Apple Watchの音声入力からMacBookのスプレッドシートに飛ばす仕組みをどうにか完成させたんです。全部ClaudeさんとGeminiさんに聞きながら。

作業日誌は「3年日誌に夜書く。そして忘れる」という状態から、Apple Watchで音声入力 → 自動記録へ。同じ3月、農業AI通信と出会う。

もう全てびっくりするぐらい全部できる。穴がないというか。気をつけることもちゃんと提示されているし、5分チャレンジも本当にできた。YouTubeで頑張っても、説明にない部分で止まってしまって、AIに聞いてもわからないっていう状況があった中で。この体験ができたことが、もう本当に言葉にできない。
💡 この夫婦なりのやり方

Notionで共有された資料は、奥様が印刷して旦那様に見せる。基本のやり取りは奥様がハブになり、Discordで連携しながら進めていく。デジタルとアナログの境界線を、この夫婦なりのやり方で超えようとしている。

🔜 次回予告(Vol.2)

デジタルに縁がなかった夫婦が、
Apple WatchとAIで走り出した日

10時間以上、試行錯誤して音声入力システムを完成させた奥様。クリップ作業マニュアルをAIで作り、いとこへの指導に使えた。そして2026年3月、農業AI通信と出会い「印刷して旦那に共有する」という二人らしいスタイルで実践が始まった。試行錯誤のリアルを、次回お届けします。

🍅

🌱 ここまで読んだあなたへ

記事200本から「あなた向けの1本」を3問で診断

作物・規模・困りごとに合わせて、AIが最適な記事を提案します

▶ 3分診断をはじめる(無料)

まとめ

  • :全国トマト選手権 金賞(46品中)── 全国トップクラス
  • 栽培歴:27年。収益よりも栽培重視、味への情熱を最優先に
  • 経営管理:本人曰く「どんぶり勘定」。電卓・手書き日誌・口頭指示
  • 最優先の挑戦:積算温度で収穫時期を「読める農家」になること
  • 変化の起点:奥様の危機感と、旦那様の「覚悟」
  • AI活用の芽:Apple Watch音声入力、クリップマニュアル作成に成功

⏱ 今日からできる5分アクション

廣島さんも、最初は自分の経営が「どんぶり勘定」だと認めるところから始まりました。あなたの農園の”アナログ”を、3つだけ書き出してみませんか?

  1. 紙やノートでやっている作業は?
    (例:作業日誌、出荷記録)
  2. 口頭で伝えていることは?
    (例:スタッフへの指示、出荷先への連絡)
  3. 「なんとなく」で判断していることは?
    (例:収穫タイミング、出荷量)

📂 ひろしま農園シリーズ(全6回)

  1. Vol.1
    全国金賞トマト農家の、知られざる”アナログ経営”
    📍 今回
  2. Vol.2
    デジタルに縁がなかった夫婦が、Apple WatchとAIで走り出した日
    🍅 公開予定
  3. Vol.3
    超アナログ夫婦が、IoTセンサーのセットアップをやり遂げた日
    🍅 公開予定
  4. Vol.4
    15.7℃、49% ── スプレッドシートに刻まれた最初の1行
    🍅 公開予定
  5. Vol.5
    「Wi-Fiの仕組みも知らなかった」農家が、AIに聞いて自分で問題を解決した日
    🍅 公開予定
  6. Vol.6
    同じ数字が並ぶ違和感から始まった、”信頼できるデータづくり”への新たな一歩
    🍅 公開予定
🌱

💬読者の声をお聞かせください

この記事に関するご質問・ご感想をお待ちしています。




※ この記事はAIツール(ChatGPT・Claude等)を活用して作成し、編集部が内容を確認・編集しています。正確性には十分配慮していますが、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

この記事は農家の皆さんのAI活用を応援するために作成しました。
ご質問やご感想があれば、ぜひお寄せください。

© 2026 農業AI通信 / Metagri研究所

農家専用AIプロンプト集を無料で読む
経費の勘定科目・病害虫診断・確定申告など、農家がAIに聞きたい質問を集めたプロンプト集(Notionページ)を、メルマガ登録者に無料公開中。
🔒 1分で登録(配信停止はいつでも可能)
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人