格安の中国製AIを安全に使う方法。DeepSeek V4 Flash実践編

実機検証
2026年8月5日 検証実施(検証2は同日に再実施)/同日 最終確認

農業AI通信 Vol.2

🌾 格安の中国製AIを安全に使う方法。DeepSeek V4 Flash実践編

公開:2026年7月31日/最終確認:2026年8月5日

#セキュリティ #コスト #DeepSeek

前編では「中国製AIをどこまで使っていいか」の線を引きました。今回はその線の内側で、実際に設定して、実際に農作業のメモを整えさせた記録です。設定にかかったのは30分、料金は全部で約15円。そして正直に言うと、想定していた結論は2つ外れました

「安いAIは中国のサーバーに行くから怖い」「でも安いのは魅力」。この2つを両立させる方法として、前編ではOpenRouter(世界中のAIをまとめて使える中継サービス)を経由する入口を紹介しました。予告しただけで終わらせないために、今回は編集部で実際にアカウントを作り、設定を変え、お金を払って動かしています。

この記事でわかること

  • 中国のサーバーを経由させない設定手順(画面つき・4ステップ)
  • 初期設定のままでは危ない2箇所と、その直し方
  • 実際の出来ばえと料金(作業日報と、41ページの公募資料で実測)

先に結論

  • 経路は選べました。設定を1箇所変えるだけで、DeepSeek公式のサーバーを使わせないようにできます。実際に回ったのは米国の DeepInfra でした。
  • 🔴 初期設定のままではダメでした。2箇所(Zero Data Retention無料エンドポイントの学習利用)が安全側になっていません。
  • 作業日報は17秒・0.05円で形になりました。ただしメモに書いていない場所が1行、勝手に入りました
  • 🔴 「高いAIなら間違えない」ではありませんでした。同じ指示を高価なモデルにも出したところ、まったく同じ箇所を、違う言葉で捏造しました。
  • 🔴 長い資料では、安いAIのほうが6.5倍高くつきました。41ページのPDFをそのまま渡すと、料金の97%が本文の変換料(約12円87銭)に消えます。自分で文字をコピーして渡せば0円37銭です。
  • 試すには先に約900円のチャージが必要です。無料では始められません。

⚠️ 本記事は2026年8月5日に、各タスク1回ずつ実行したN=1の速報検証です。合計30分で試せた範囲であり、結果のばらつき・長期運用・ピーク時間料金は検証していません。検証2は同日に再実施した2回目の結果を掲載しており、1回目と結果が変わった項目は本文に明記しました

📂 DeepSeek V4 Flash(全2回)

🔁 前編のおさらいと、今回やること

前編の結論は3行でこうでした。①DeepSeek V4 Flashは他社の半額以下で使える。②ただし公式アプリ・公式APIは中国のサーバーに入力が渡り、削除の依頼先も中国国内になる。③入口を変えれば、行き先も変わる。

今回はその③を実際にやります。設定して、動かして、料金を見る。それだけの記事です。前編を読んでいなくても手順は追えますが、なぜ入口を変えるのかは前編にまとめてあります。

🚪 なぜOpenRouter経由なのか

同じ「DeepSeek V4 Flash」でも、どこから入るかでデータの行き先が変わります。前編で整理した3つの入口を、もう一度だけ載せておきます。

DeepSeek V4 Flashの3つの入口とデータの行き先を示した図解
3つの入口と、それぞれのデータの行き先(Vol.1より再掲)

OpenRouterは、いろいろな会社のAIをまとめて呼び出せる中継サービスです。ここを通すと、「同じモデルを、どの会社のサーバーで動かすか」を自分で選べるようになります。DeepSeek V4 Flashは中国のDeepSeek社以外に、米国の事業者もサービスとして提供しているためです。

農家向けの言い換え

同じ品種の苗でも、どこの育苗場から仕入れるかは選べる、という話です。品種(=AIモデル)は同じでも、仕入れ先(=サーバーを持っている会社)が変われば、預けた情報の扱いも変わります。

⚠️ ここが最重要

OpenRouterを使えば自動的に安全、ではありません。初期状態のままだと、中国のDeepSeek社のサーバーに割り振られる可能性が残ります。次の章の設定をやって初めて、経路が変わります。

🔧 設定手順(4ステップ・所要15分)

STEP 1

アカウントを作る

OpenRouterのサイトでアカウントを作成します。GoogleアカウントでもOKです。

STEP 2

クレジットをチャージする

先にお金を入れる前払い式です。最小の5ドル分を入れるのに、約911円かかります(手数料込み)。

STEP 3

★ DeepSeek社を「使わない事業者」に登録する

この記事の核心です。Account → Privacy →Ignored Providers(使わない事業者のリスト)に「DeepSeek」を追加して保存します。

STEP 4

保存設定を拒否側に切り替える

初期値のままではダメな項目が2つあります。ここは読むだけでなく、必ず手を動かしてください

STEP 2:チャージは「約900円から」

ここは正直に書きます。無料では試せません。最小の5ドル分を買おうとすると、請求は5.80ドル。差額の0.80ドルが手数料で、率にすると16%です。

OpenRouterのクレジット購入画面。5ドルのクレジットに対し合計5.80ドルの請求が表示されている
5ドル分のクレジットに、手数料0.80ドルが上乗せされる(2026年8月5日 編集部撮影)

約911円

支払う金額(1ドル=157円換算)。
うち使えるのは約785円分手数料が約126円です。

高いと感じるかもしれませんが、この785円分は、後で出てくる作業日報なら約1万7千本ぶんです。入口の911円さえ払えば、当分なくなりません。プリペイドの電子マネーと同じで、先にチャージして、使った分だけ減っていく仕組みです。

STEP 3:DeepSeek社を除外する(ここが核心)

ログインしたら Account → Privacy を開き、Ignored Providers(使わない事業者のリスト)DeepSeek を追加して保存します。操作はこれだけです。

OpenRouterのIgnored Providers設定画面。DeepSeekが除外リストに追加されている
Ignored Providers に DeepSeek を追加した状態(2026年8月5日 編集部撮影)

この設定について、必ず知っておくこと

  • アカウント全体に効きます。特定の会話だけの設定ではありません。
  • 「除外=安全」ではなく「行き先を残りの事業者に限定する」設定です。DeepSeek社しか提供していないモデルを使おうとすると、呼び出しそのものが失敗します。
  • 🔴 「行かせる先」を固定する設定ではありません。除外は「行かせない先」を決めるだけなので、毎回どこに回ったかは自分で確認する必要があります(次項)。

確認は簡単です。実行後に Activity(利用履歴)を開くと、そのリクエストがどの会社のサーバーで処理されたかが表示されます。編集部が今回試した4回は、DeepSeek V4 Flash側はすべて DeepInfra(米国)と表示されました。

STEP 4:保存設定を拒否側にする(初期値のままではダメ)

ここが今回いちばんの発見でした。「初期状態でだいたい安全」だろうと想定していたのですが、半分外れました。

設定項目 場所 初期値 やること
Private Input & Output Logging
(質問と回答の本文を保存する機能)
Observability OFF そのままでOK
OpenRouter Use of Inputs/Outputs
(入力・出力の利用を許可する設定)
Privacy OFF そのままでOK
🔴 Zero Data Retention(Non-frontier)
(データを保持しない事業者だけを使う設定)
Privacy OFF ONにする
🔴 無料エンドポイントの学習利用許可
(無料モデル利用時に学習へ使うことを許す設定)
Privacy ON OFFにする

🔴 とくに2つめは、知らずに使っている人が多いはずです

「無料で使えるモデル」を選ぶと、入力と出力が学習に使われうる状態が初期値でONになっていました。有料で使う場合も、ここはOFFにしておくのが無難です。

OpenRouterのPrivacy設定画面。Zero Data RetentionがONに、無料エンドポイントの学習利用がOFFに切り替えられている
Privacy:Zero Data Retention を ON、無料エンドポイントの学習利用を OFF に変更した状態
OpenRouterのObservability設定画面。Private Input and Output LoggingがOFFのまま維持されている
Observability:Private Input & Output Logging は初期値の OFF のまま

前編の宿題への答え

Vol.1で「中国を経由しない=保存されない、ではない」と書きました。その答えがこれです。質問と回答の本文は原則保存されません。ただし、いつ・どのAIを・どれだけ使ったかという利用履歴(メタデータ)は残ります。

手紙にたとえるなら、中身は控えられないけれど、いつどこに出したかの記録は残る、という状態です。

※ これらの設定はOpenRouterが各事業者から得ている申告にもとづくものです。実際に保存されていないことを編集部が検証したわけではありません。

実際に回った会社を調べてみた

除外設定が効いた結果、処理を担当したのは DeepInfra という会社でした。公開されている規約とドキュメントを読みました。

確認したこと 結果
会社の所在地 米国カリフォルニア州パロアルト
準拠する法律 米国デラウェア州法(法人設立地)
もめたときの手続き 米国サンフランシスコ市での仲裁
質問と回答の保存 原則、ディスクに保存しない(処理中のみメモリ上、完了後に削除)
学習への利用 原則、使わない
⚠️ 利用メタデータ リクエストID・料金・生成設定などは記録される
⚠️ 例外的な記録 不具合調査やセキュリティ上必要な場合、内容の一部を記録する権利を留保
⚠️ その保持期間 「限られた期間」とだけ。日数は公開されていない

正確に書くと、こうなります

中国の会社が作ったAIを、米国の会社のサーバーで動かす。ここまでは公開情報で確認できました。ただし「米国経路だから何も残らない」わけではありません。本文は原則保存されない一方で、いつ・いくら使ったかの記録は残り、不具合調査などのために内容の一部が一時的に保存される可能性もあります。何日残るのかは公開されていません。

📋 検証1:話し言葉のメモから、作業日報を作らせる

検証1

作業日報の整理・要約

  • 入力:話し言葉の作業メモ 約300字(固有名詞は伏せ済み)
  • 指示:「作業内容・場所・所要時間・気づきの4項目に整理して、日報の形にしてください」
  • 実行:DeepSeek V4 Flash 1回/GPT-5.6 Luna 1回(同じ指示・再生成なし)
  • 見るところ:①指示した形式を守るか ②書いていないことを足さないか ③農業用語 ④時間と料金

渡したメモは、こんな話し言葉です。

今日は朝から農園の第1ハウス、9時前くらいから灌水して、そのあと2番3番も同じようにやって、たぶん全部で2時間ちょいかかったかな。第1のミニトマトは下葉が黄色くなってるのが何株かあって、うどんこっぽいのも1株見つけたから、農家の先輩に写真送って明日相談することにした。昼からは第2ハウスで摘果、これは1時間くらい。追肥は肥料がまだ届いてないから明日以降に回す。選果場の換気扇の音が変だったので来週見てもらう予定。夕方は直売所に出す分の袋詰めを30分ほど。今日は暑くて、14時ごろはハウスの中が35度超えてたと思う。あと、朝いちで軽トラのタイヤの空気が減ってた気がしたので、明日ガソリンスタンドで見てもらうつもり。

このメモには、わざとあいまいなところを5つ仕込んであります。「2時間ちょい」というぼかした時間、「35度超えてたと思う」という推測、「明日以降に回す」という未実施の作業、「うどんこっぽい」という言い切っていない病名、そして灌水・摘果・追肥といった農業用語です。

結果:17秒で日報になった。ただし1行、嘘が混じった

DeepSeek V4 Flashは16.9秒で、指示どおり4項目に整理した日報を返してきました。料金は0.045円。見出しと表を使った構成で、そのまま提出できそうな見た目です。農業用語の誤りもゼロ。「うどんこ病と思われる」と、断定を避けたのも good でした。

問題は「場所」の欄です。

🔴 メモに書いていないことが、書かれていた

袋詰めの場所として 「選果場」 と記載されていました。
しかしメモに袋詰めの場所は書いていません。「選果場」は換気扇の話で出てきた単語です。

ほかにも、書いていない合計時間(「約3時間半〜4時間程度」)を勝手に計算し、メモにない日付をタイトルに入れ、「と思う」と書いた気温を「35度超え」と断定していました。便利ではありますが、日報は後で見返す記録です。ここを確かめずに保存するのは危うい

🔴 高いAIなら大丈夫、ではありませんでした

ここからが今回いちばんの発見です。同じメモを、同じ指示で、6倍以上高価な GPT-5.6 Luna にも渡しました。結果はこうです。

🔴 両方とも、同じ欄を埋めてきた

袋詰めの場所(メモに記載なし) DeepSeek V4 Flash GPT-5.6 Luna
書いてきた内容
(メモにない場所)
🔴 「選果場」 🔴 「作業場」
間違え方の種類 メモの別の行にあった単語を流用 メモに一度も出てこない語を発明
合計時間の勝手な計算 「約3時間半〜4時間程度」 「約3時間半強」

値段では防げませんでした。「場所」という空欄を作って渡せば、どちらのAIも埋めにきます。問題はモデルの価格ではなく、日報という様式そのものが、AIに空欄を埋めさせるということです。

もちろん、Lunaのほうが良かった点もあります。

見たところ DeepSeek V4 Flash GPT-5.6 Luna
指示した4項目の形式 完全に守った 完全に守った
🔴 書いていないことを足さないか ×寄りの△ 場所・気温・合計時間の3件 場所・合計時間の2件
「35度超えてたと思う」の扱い 🔴 断定した ✅ 「と思われる」を維持
未実施の追肥をどこに書いたか 「作業内容」欄(実施済に見える) ✅ 「気づき・申し送り」欄に隔離
そのままコピペできるか 前置き・後書きの削除が必要 ✅ 前置きなし
日本語・農業用語
かかった時間 16.9秒 0.9秒
かかった料金 0.045円 0.058円
総合

この検証から持ち帰るべきこと

「どのAIを選ぶか」ではありません。「場所」のようにメモに書いていない項目を指示に入れるなら、そこは必ず自分の目で見る。そしてプロンプトに「メモに書かれていないことは補わないでください」と一行足す。防げるとしたら、こちらのほうです。

📄 検証2:41ページの公募資料を読ませる

検証2

長い公開資料の読み込み・要約

  • 入力:農林水産省の公募資料2件(説明会資料・募集要領)合計41ページ相当のテキスト
  • 指示:「応募資格・締切・支援内容・審査基準・提出書類の5点を、原文の該当箇所を示しながら箇条書きに」
  • 実行:DeepSeek V4 Flash 1回/GPT-5.6 Luna 1回(同日に再実施した2回目の結果)
  • 🔴 条件はそろっていません:入力トークンはDeepSeek 16,390/Luna 94,250。同じPDFを渡しても、変換後にAIが読めた本文の量が5.75倍ちがいました

⚠️ 読ませるのは「公開されている資料」だけです

公募要領や試験場の報告書のように誰でも見られる文書はOKです。一方で、自分が書いた申請書や事業計画は入れません。前編の早見表で「補助金の申請書作成は避ける」としたのは後者のことです。公開文書はOK、自分の経営情報はNG——この区別で使ってください。

結果:中身は良くなった。ところが料金が逆転した

DeepSeek V4 Flashは61.6秒13円24銭で、5点すべてに出典を付けた要約を返しました。締切「8月28日(金) 18時00分」は公式の報道発表と日付・曜日・時刻まで一致。【要領】と【説明会】のどちらから引いた記述かを凡例で切り分けており、出典の扱いはむしろ丁寧です。1回目の検証で落ちていた応募要件8つめの後半(「使用するAIモデルについては、必要に応じて、農林水産省及び事務局と調整の上、その指示に従うこととする」)も、今回は最後まで引用できました

⚠️ 同じ指示でも、結果は同じになりません

この検証は1回目と2回目で結果が変わりました。1回目は応募要件の後半が黙って消え、「募集・選定要領」が「妥結要領」という存在しない言葉に崩れていました。2回目はどちらも起きていません。「このモデルはここを間違える」ではなく「毎回変わる」が正しい理解です。だからこそ、大事な数字は原文で確かめる手順が要ります。

🔴 料金の97%が、AIが考える前に消えていた

DeepSeek V4 Flashは文字しか扱えません。そこにPDFをそのまま渡したため、本文を取り出す変換料(ファイル処理料)だけで約12円87銭かかりました。
AIが考えた分の料金は0円37銭。つまり払った13円24銭のうち、97%はPDFの変換代です。

6.5倍

同じ41ページで、安いはずのDeepSeekのほうが高くつきました(13円24銭 対 2円5銭)。
ただし自分で文字をコピーして渡せば0円37銭。そのときだけ、Lunaの約6分の1で済みます。

🔴 そもそも、同じ量を読ませられていませんでした

今回いちばん重い問題はここです。同じPDFを渡したのに、入力トークンはDeepSeekが16,390、Lunaが94,250でした。変換後にAIが読めた本文の量が、5.75倍ちがいます。DeepSeek側は資料の一部しか受け取っていない状態で答えている可能性が高く、この比較は対等ではありません。編集部の反省点として、そのまま書き残します。

そのうえで気になるのは、読めた量が少ないほうが、具体的な数字を多く出してきたことです。中間支援組織「全国で40~50程度」、1つのソリューションにつき「3地域」、結果公表は「10月初旬」——これらはDeepSeekだけが出し、Lunaは一切出しませんでした。逆に伴走期間「令和8年度末まで」はLunaだけが出しています。どちらが正しいかは原文を見ないと分かりません。「片方しか言っていない数字」は疑ってかかる——1回目と同じ教訓が、そのまま再現しました。

もう一点、DeepSeek側は「選定結果は公表前に事前に連絡する」と「選外となった企業への連絡は行いません」を並べて書いてきました。応募する人がいちばん気にする部分です。こういう箇所は、AIの要約で止めずに必ず原文で確かめてください。

見たところ DeepSeek V4 Flash GPT-5.6 Luna
🔴 読めた本文の量(入力トークン) 16,390 94,250
応募要件8つめの引用 ✅ 全文を引用できた(1回目は後半が欠落) ✅ 8項目すべてに言及(後半3項目は要約の形)
締切の「年」 🔴 欠落(「8月28日」のみ) ✅ 「2026年8月28日(金)18時00分」
日本語の崩れ △ 見出しの崩れ1件・リンクの文字化け1件 ✅ なし
該当箇所の示し方 ✅ 資料の凡例+章番号 ページ番号(p.8とp.11で食い違い1件)
「採択」→「選定」の言い換え指摘 見出しに併記した 🔴 今回は指摘なし(1回目はあった)
かかった時間 61.6秒 17.8秒
かかった料金 🔴 13円24銭(うち変換料12円87銭) 2円5銭
総合

おすすめの使い方

PDFはそのまま投げない。これが今回いちばんの実利です。PDFから文字をコピーして貼るだけで、DeepSeekの料金は13円24銭から0円37銭になります。安いAIで下読みし、高いAIで確認する突き合わせも、自分でテキストにしておけば合計2円42銭で足ります。1つのサービスで両方使えるOpenRouterだからできる使い方です。

※ 本記事の要約結果は各1回の実行例です。応募するかどうかの最終判断は、必ず原文と担当窓口で確認してください

💰 実際にかかった料金 ── 安さが効く場面と、効かない場面

今日の検証4回ぶん、すべての実測値です。

項目 検証1 日報
DeepSeek
検証1 日報
Luna
検証2 資料41p
DeepSeek
検証2 資料41p
Luna
料金 0.045円 0.058円 13.24円 2.05円
うちPDFの変換料 12.87円(97%)
AIが考えた分だけ 0.045円 0.058円 0.37円 2.05円
かかった時間 16.9秒 0.9秒 61.6秒 17.8秒
処理した会社 DeepInfra OpenAI DeepInfra OpenAI
出来ばえ

約15円40銭

今日の検証4回の合計金額。うち12円87銭は、PDFを文字にするための変換料でした。自分でコピーしていれば、合計2円50銭で済んでいます。

前編の試算は、当たっていました

前編では「日報30日分でおよそ1.3円」と試算していました。実測は1本0.045円なので、30日で約1.35円。ほぼぴたりです。

🔴 ただし「安いほうが得」は、渡し方で決まります

検証1:日報(短い) 検証2:資料41ページ(長い)
価格差(PDFをそのまま渡した場合) Lunaが1.29倍高いだけ 🔴 DeepSeekが6.5倍高い
価格差(自分でテキストにした場合) Lunaが1.29倍高いだけ Lunaが5.6倍高い
1回あたりの差額 0.013円 11.19円(DeepSeekのほうが高い)
出来ばえの差 🔴 差がつかない(両方とも同じ捏造) 🔵 Lunaの勝ち(ただし読めた本文が5.75倍ちがう)
  • 短い作業では、安さに意味がありませんでした。日報を毎日1本作っても、月の差は0.40円。しかも出来ばえも変わりません。どちらを選んでも結果はほぼ同じです。
  • 🔴 PDFをそのまま渡すと、安さが消えます。41ページで13.24円。安いはずのDeepSeekが、Lunaの6.5倍かかりました。文字しか扱えないモデルにPDFを渡すと、変換料が本体を追い越します。
  • 自分で文字にすれば、安さは戻ります。1回0.37円と2.05円。月に10本読ませれば3.7円と20.5円です。手間はコピー&ペースト1回分。
  • 🔴 そして、その長い資料でこそ出来ばえに差が出ました。安く済ませられる場面と、精度が要る場面が同じ——これが今回いちばん厳しい結論です。

まとめるとこうです。日報のような短い作業なら、どちらでもいい。長い資料は「PDFのまま渡すか、文字にして渡すか」で料金が35倍変わる。そして安く読ませられる場面こそ、読み落としの確認が要る。

🚧 注意点と、今回検証していないこと

先に知っておいてほしいこと

  • 🔴 これは各1回の結果です。AIの出力は毎回変わります。「必ずこうなる」ではなく「1回試したらこうだった」として読んでください。実際、検証2は2回実施し、1回目にあった引用の欠落と誤記は、2回目では起きませんでした
  • 🔴 検証2は入力量がそろっていません。同じPDFでも、変換後にAIが読めた本文はDeepSeek 16,390トークン/Luna 94,250トークンでした。出来ばえの差には、この読めた量の差が含まれています。
  • 🔴 除外設定は「行かせない先」を決めるだけです。毎回どこに回ったかは、Activity(利用履歴)で確認する習慣をつけてください。
  • 試すだけで約900円かかります。無料では始められません。
  • 🔴 DeepSeek V4 Flashは文字しか扱えません。PDFや写真をそのまま渡せず、テキストを抜き出す手間がかかります。その手間をOpenRouterに任せると、41ページで約12円87銭の変換料がかかりました(AIが考えた分の35倍)。
  • 「ログを一切保存しない」とは言えません。利用履歴は残り、不具合調査などで内容の一部が一時的に記録される可能性があります。保持日数は公開されていません。
  • 今回検証していないこと:出力のばらつき(複数回試行)、数か月単位の継続運用、予告されているピーク時間帯の料金上乗せ(開始日が未発表のため)。

まとめ

  • 経路は選べます。OpenRouterの Ignored Providers に DeepSeek を追加すれば、中国のサーバーを使わせない状態にできます。実際に回ったのは米国の DeepInfra でした。
  • 🔴 初期設定のままではダメです。Zero Data Retention はOFF、無料エンドポイントの学習利用はONが初期値でした。この2つは自分で切り替えてください。
  • 本文は原則保存されませんが、利用履歴は残ります。「中国を経由しない」と「何も残らない」は別の話です。
  • 🔴 高いAIなら間違えない、ではありませんでした。両方とも、メモにない袋詰めの場所を書きました。値段では防げません。
  • 防げるのはプロンプトのほうです。「メモに書かれていないことは補わないでください」の一行を足してください。
  • 🔴 PDFをそのまま渡すと、安さは消えます。41ページで変換料が約12円87銭。文字をコピーして渡せば0円37銭で、同じ仕事が35分の1になります。
  • 安さが効くのは、テキストにした長い資料を大量に読ませるときだけ。ただしその場面こそ、読み落としの確認が要ります。

参考にした情報

  1. OpenRouter|DeepSeek V4 Flash 0731 モデルページ
  2. DeepInfra|Data Privacy(公式ドキュメント)
  3. DeepInfra|利用規約(法人名・準拠法・仲裁)
  4. DeepInfra|プライバシーポリシー
  5. Artificial Analysis|DeepSeek V4 Flash 性能評価
  6. 農林水産省|AI×「農山漁村」インパクト創出ソリューション実装プログラム 報道発表(2026年7月27日)

すべて2026年8月5日時点の情報です。料金・設定項目・提供事業者は変更される場合があります。

今日からできる一歩

OpenRouterに約900円をチャージして、日報を1本だけ整えてみる。うまくいかなくても、減るのは1円未満です。

この記事、役に立ちましたか?

実際に試した方の結果を教えてください。次回の検証テーマにします。



本記事は2026年8月5日時点の公開情報と、編集部による実機検証(各タスク1回)にもとづきます。AIの出力は実行ごとに変わります。設定項目・料金・提供事業者は予告なく変更される場合があります。実際の運用にあたっては、必ず各サービスの最新の規約をご確認ください。

この記事は農家の皆さんのAI活用を応援するために作成しました。
ご質問やご感想があれば、ぜひお寄せください。

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