【第2弾】農家のためのCloudflare入門~自分の屋号でURLを持つ方法~

連載
農家のためのCloudflare超入門
Vol.2 / 全7回

実践ガイド★ 初級

農家のためのCloudflare入門~自分の屋号でURLを持つ方法~

「屋号で検索して、何も出てこない」を、年10ドルで終わらせる

#Cloudflare#農業DX#ドメイン

自分の屋号を、検索してみてください。何が出てきましたか。

おそらく、直売所の食べログか、農協の一覧か、SNSの投稿がひとつ。あなた自身が出した情報は、たぶん1件もありません。名刺を渡した相手も、卸の担当者も、はじめに検索します。そこに何も無いというのは、店の前に看板が立っていないのと同じことです。

前回は「やる/やらない/どこまでやる」を決める回でした。決めた人だけが、ここから先に進みます。今日つくるのは屋号のドメインで開く、たった1ページ。この連載で唯一、財布を開く回です——年10ドル前後、それだけです。

Vol.2第2幕:達成
他人の看板を借りるのをやめて、自分の名義で1枚出す

今日のゴールは「きれいなサイト」ではありません。屋号のURLを打つと、自分のページが開く。それだけです。

🎯 今日つくるもの(先に完成形)
https://〇〇農園.com で開く、1ページの紹介ページ

Cloudflare Pagesで公開した「船橋梨農園」の1ページ。屋号・作っているもの・連絡先・だいたいの場所・SNSの5項目だけが並んでいる
実際に作った1ページ。載っているのは5項目だけです。この記事では、まず無料のURL(〇〇.pages.dev)で開くところまでを画面つきで通します

屋号・作っているもの・連絡先・場所が入った1ページ

スマホで開いても崩れない(相棒に頼めばここは勝手にやってくれる)

鍵マーク(https)つき。設定も追加料金もなし

名刺・SNSのプロフィール・請求書に書けるURLが1本できる

かかるお金はドメイン代だけ(この記事では年10.46ドルの実額を出します)。置き場・通信・鍵マークは無料枠のままです。
※料金は 2026-08-16 に公式で確認

🗺 今日行く売り場は2つだけ
売り場(Cloudflare) 農場でいうと 今日の役割
DNS 農場までの住所・案内板 屋号のURLを、置き場に案内する
Static Assets/Pages 直売所の看板 1ページを置いて、24時間開ける状態にする
Email Routing 屋号あての郵便受け 次回(Vol.3)。今日は触りません

主な売り場の全体像は Vol.1の一覧表 にあります。以降の回も、その日に使う売り場だけを取り出します。

🔎 「屋号で検索しても出てこない」の正体

出てこない理由は、SEOでも文章力でもありません。あなたの情報が置かれている場所が、全部他人の敷地だからです。

  1. SNSは他人の敷地:仕様が変わればレイアウトも並び順も変わる。屋号で検索して上に出るかどうかは、自分では決められない
  2. まとめサイトは他人の看板:情報が古くても、直す権限がない
  3. 自分の看板がゼロ:検索する相手が「公式はどれか」を判断できない

必要なのは大きなサイトではありません。「ここが公式です」と言える1ページです。これがあると、SNSも直売所の一覧も「入口のひとつ」に格下げできます。

🏠 「公開する」を3つに分解する

ここが今日いちばん大事な話です。多くの人が詰まるのは、3つの別の作業を1つだと思っているからです。

🏠 ドメイン・DNS・置き場は、別の3つ
1
ドメイン
農場の住所

〇〇農園.com という番地を1年ぶん借りる。ここだけ現金が出ます

2
DNS
住所録・案内板

その番地に来た人を、実際の建物へ案内する。無料

3
置き場(Pages)
建物・直売所

ページの実体を置く場所。24時間開いている。無料枠

この3つが揃って初めて「開く」。1だけ買って止まると、住所はあるのに建物がない状態になります(これが後述の誤解②)。

🌾 農業の現場でたとえると

新しく直売所を出すときと同じ順番です。
土地の番地を決める(ドメイン)→ 県道に案内看板を立てる(DNS)→ 建物を建てる(置き場)。
番地だけ取って看板も建物もない土地に、お客さんは来ません。逆に、建物ができていれば看板の文字は後から何度でも書き換えられます。

そしてCloudflareの都合のいいところは、この3つが同じ店の中で揃うことです。番地を買う窓口も、案内板も、建物も、1つの管理画面にあります。ふつうは会社が3つに分かれて、それぞれの管理画面を行き来することになります。

💳 ドメイン代が「年10ドル前後」で済む理由

Cloudflareでドメインを取ると、ほぼ卸値です。
上乗せ(更新時の値上げ、初年度だけ安い割引、要らないオプションの抱き合わせ)が乗りません。

実際に私が払った金額は、.com を移管して1年延長で 10.46ドル(2026年8月時点)。そのうち0.18ドルは、ドメインの管理団体に世界共通でかかる手数料です。つまりほぼ原価。

ここで大事なのは安さではなく、来年も同じ額だと予想がつくことです。1年目500円・2年目4,000円という買い方をすると、農閑期に「これ何の請求だっけ」が始まります。年に一度の、金額が読める固定費にしておくのが、続ける条件です。

🇯🇵 「うちは .jp を使いたい」人へ

先に言います。.jp はCloudflareの窓口では取れません。ここは連載の中でいちばん分岐が大きいところなので、逃げずに両方書きます。

🔀 どちらを選んでも、今日のゴールには着きます
本線:.com / .net などを使う

Cloudflareの窓口で番地を買い、そのまま案内板と建物まで同じ画面で終わらせます。

  1. Cloudflareでドメインを検索して取得(年10ドル前後)
  2. 案内板(DNS)は自動で用意される
  3. 1ページを置いて、屋号のURLを紐づける

管理画面が1つで済むので、迷いどころが少ないのはこちらです。

別解:.jp をどうしても使う

番地は国内の窓口で買い、案内板だけCloudflareに預けます(これは正式な使い方で、無料)。

  1. 国内のドメイン会社で .jp を取得(年2,000〜4,000円前後。更新時の額を必ず見る)
  2. Cloudflareにそのドメインを登録し、示されたネームサーバー2本を控える
  3. 取得元の管理画面で、ネームサーバーをその2本に書き換える
  4. 切り替わりは数分〜長ければ1日。以降はCloudflare側だけ触ればいい

置き場(Pages)とVol.3以降の増築は、本線とまったく同じです。違うのは今日の1回だけ。.jp の信用が商売に効く相手(自治体・卸・学校)がいるなら、この手間は払う価値があります。

⚠️
メール設定は触れません!

DNSの画面には、メール用の行(MX・SPF・DKIM・DMARC)も並んでいます。今日は1文字も触らないでください。屋号のメールアドレスは次回まとめて作ります。案内板は、二度触ると事故ります。

すでにそのドメインでメールを使っている人だけ、移す前に今の設定を画面ごとスクリーンショットで残しておいてください。これが唯一の保険になります。

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