【無料AI】農家のための「Google AI Studio入門」
~栽培相談から販促まで使い倒す方法 ~
2026年、農家の皆さんにおすすめしたい無料の生成AIがあります。それが Google AI Studio です。
通常のAIチャットと何が違うのか? 答えは「AIの役割を固定できる」ことと「出力の創造性を数値で調整できる」こと。この2つを使いこなせば、栽培相談や文章作成のクオリティが劇的に向上します。
- Google AI Studioとは何か、なぜ農家におすすめなのか
- 初期設定の手順(5分でできる)
- 3つの画面エリアの役割と使い方
- 農家向けの実践ケース2選(栽培相談・文章校正)
- プロンプトの保存・共有方法
🛠 1. 準備:AI Studioへのアクセス
まずはツールを開いて、最新モデルをセットアップしましょう。
Step 1:AI Studioにアクセス
- URL:http://aistudio.google.com
- Googleアカウントでログインしてください(GmailアカウントでOK)
Step 2:モデルの選択
- 画面右側(または上部)にある「Model」のドロップダウンメニューをクリック
- リストの中から 「Gemini 3 Pro」(またはその時点で最新の “Pro” モデル)を選択
- 推論能力が高く、複雑な企画やニュアンスの理解に優れている
- 長文の処理が得意
- 画像認識も可能(マルチモーダル)
🧠 2. AI Studioの基本画面:3つのエリアを理解する
画面は大きく3つのエリアに分かれています。ここを理解するのが最大のコツです。
| エリア | 場所 | 役割 |
|---|---|---|
| ① System Instructions | 左側/上部 | AIへの「恒久的な役割指示」を書く場所 |
| ② Chat / Prompt | 中央 | 実際に作業を指示し、会話する場所 |
| ③ Run Settings | 右側 | AIの「創造性」を調整するコックピット |
① System Instructions(役割設定)
「AIへの恒久的な役割指示」 を書く場所です。
通常のAIチャットだと、会話が長引くと最初に設定した役割を忘れがちです。
しかし、System Instructionsに書いた内容は、AIが最初から最後まで絶対に守るルールになります。
② Chat / Prompt エリア
実際に「やってほしい作業」を指示し、会話する場所です。
- 具体的な質問や依頼を入力
- 原稿や資料を貼り付けてリライトを依頼
- 画像をアップロードして分析を依頼
③ Run Settings(創造性の調整)
AIの「創造性」を調整するコックピットです。特に重要なのが Temperature(温度) の設定。
| Temperature値 | 特徴 | おすすめの用途 |
|---|---|---|
| 低め (0.1 – 0.3) | 事実に忠実、固い文章 | 誤字脱字チェック、事務文書、申請書類 |
| 中間 (0.4 – 0.7) | バランス型 | ブログ記事、説明文、一般的な文章作成 |
| 高め (0.8 – 1.0) | 創造的、ユニーク | アイデア出し、キャッチコピー、企画立案 |
🌱 3. 実践ケース①:栽培のプロに相談する
農作業の現場で「これ、どうすればいいんだろう?」と迷う場面、ありますよね。病害虫の対策、施肥のタイミング、天候への対応など、AIを「栽培の相談相手」として活用する方法を紹介します。
- 葉っぱに見慣れない斑点が出てきた…原因と対策を知りたい
- 今年は暖冬だけど、追肥のタイミングをどう調整すべき?
- 新しい品種を試したいけど、自分の圃場に合うか判断したい
Step 1:System Instructions(役割設定)
左側のボックスに以下のように入力します。AIを「ベテラン農家の先輩」に変身させましょう。
あなたは30年以上の経験を持つベテラン農家であり、農業普及指導員の資格も持つ栽培アドバイザーです。
• 専門分野: 露地野菜全般(特にトマト、きゅうり、なす、葉物)の栽培管理、病害虫防除、土づくり、施肥設計
• 回答スタイル:
– まず結論を述べ、その後に理由・根拠を説明する
– 専門用語を使う場合は、必ずカッコ書きで簡単な説明を添える
– 可能であれば「試験場や農協の情報」「農薬登録の有無」にも触れる
• 制約:
– 断定できない場合は「可能性がある」「〇〇の疑いがある」と明示する
– 最終判断は現場確認や専門家への相談を促す
– 農薬を勧める場合は、必ず「登録農薬かどうか確認してください」と注記する
Step 2:Prompt(具体的な相談)
中央のチャット欄に、現場で困っていることを具体的に相談します。
例1:病害虫の相談
ミニトマトの葉に、下葉から黄色い斑点が広がってきました。【状況】
– 品種:アイコ
– 定植:4月中旬(現在、収穫中盤)
– 栽培環境:ハウス栽培、換気は朝夕に実施
– 最近の天候:曇りが続いて湿度が高い日が多い
– 農薬散布:2週間前に予防的にダコニール【教えてほしいこと】
1. 考えられる病気と、その見分け方
2. 今すぐできる対処法
3. 今後の予防策
例2:施肥タイミングの相談
今年は暖冬で、例年より生育が早いです。追肥のタイミングをどう調整すべきでしょうか?【状況】
– 作物:ほうれん草
– 播種:11月上旬
– 現在の生育:本葉5〜6枚(例年より2週間ほど早い)
– 出荷予定:1月下旬
– 元肥:緩効性肥料を標準量施用済み【教えてほしいこと】
1. このまま追肥を前倒しすべきか
2. 追肥する場合の量と方法
3. 暖冬で気をつけるべき他のポイント
Step 3:パラメータ調整
Temperature: 0.2 〜 0.4 に設定(事実に基づいた正確な回答を得るため)
AIは膨大な農業文献や事例を学習していますが、あなたの圃場の土壌条件や微気象までは分かりません。
- 病害虫の最終判断は、実物を見て確認する
- 農薬を使う場合は、必ず登録の有無を確認する
- 迷ったら、地域の農協や普及センターにも相談する
💬 やりとり例:トマトの葉の斑点について
実際にAIとどんなやりとりになるか、イメージを掴んでおきましょう。
✍️ 4. 実践ケース②:文章の「ブラッシュアップ」
直売所のPOP、SNS投稿、お客様への案内文などをプロレベルに整える手順です。
Step 1:System Instructions(役割設定)
あなたはベテランの編集者兼コピーライターです。
• 目的: 読者が「買いたい!」「行ってみたい!」と感情が動くような文章にリライトすること
• トーン: 親しみやすいが、信頼感のある「丁寧語(です・ます)」を使用
• 禁止事項: 専門用語の多用(使う場合は解説を入れる)、あからさまな煽り表現
Step 2:Prompt(具体的な指示)
上記の役割に基づき、「誤字脱字の修正」と「より魅力的な表現へのリライト案」を提示してください。—
(ここに自分の書いた原稿をペースト)
—
Step 3:パラメータ調整
Temperature: 0.2 〜 0.4 に設定(勝手な創作をさせず、意図を汲み取って整えさせるため)
💾 5. プロンプトの保存と共有(超重要!)
AI Studioの最大のメリットは、うまくいった設定を「保存」できることです。
Save(保存)
- 画面右上のディスクアイコン(💾)をクリック
- わかりやすい名前をつけて保存
- 例:
栽培相談_病害虫診断用_v1 - 例:
直売所_SNS投稿校正用_v1
- 例:
- 次回からはフォルダアイコンから呼び出すだけで、同じ設定ですぐ作業開始!
Share(共有)
- 共有ボタン(🔗)からリンクを作成
- 家族や従業員に「このプロンプト使ってみて!」と共有可能
一度「うまくいくプロンプト」を作れば、何度でも再利用できます。
毎回ゼロから指示を書く必要がなくなり、作業効率が爆上がりします。
⚠️ 注意点・Tips
機密情報の扱いについて
GoogleのAIポリシー上、学習に使われない設定にもできますが、念のため以下の情報は入力しないように徹底してください。
- 個人名(お客様の氏名など)
- 未公開の契約情報
- パスワードやクレジットカード番号
- 銀行口座情報
マルチモーダル活用(画像認識)
Gemini Proは画像認識も超一流です。
- 病害虫の写真 → 「この症状の原因と対策を教えて」
- 野菜の写真 → 「この野菜の特徴を活かしたPOPキャッチコピーを5つ考えて」
- 競合の直売所チラシ → 「このチラシの良い点・改善点を分析して」
📊 AI Studio vs 通常のAIチャット 比較表
| 機能 | 通常のAIチャット | Google AI Studio |
|---|---|---|
| 役割設定の固定 | 会話が長いと忘れる | 最後まで絶対に守る |
| 創造性の調整 | できない | Temperature値で細かく調整可能 |
| プロンプトの保存 | できない | 保存・再利用・共有が可能 |
| 料金 | 無料〜有料 | 無料 |
| 最新モデルの利用 | 有料プランが必要な場合も | 無料で最新Proモデル利用可能 |
まとめ:Google AI Studioで農業経営を効率化しよう
- 無料で最新のAIモデル(Gemini Pro)が使える
- System InstructionsでAIの役割を固定できる
- Temperatureで創造性を数値調整できる
- うまくいったプロンプトを保存・共有できる
- 画像認識も活用可能
⏱ 5分で試せるアクション
今日のチャレンジ:AI Studioで「自己紹介文」を作ってみる
- AI Studio にアクセスしてログイン
- 以下のプロンプトをコピーして試してみましょう
System Instructions(左側のボックスに入力)
あなたは農家の自己紹介文を書く専門家です。
• 目的: 消費者に「この人から買いたい!」と思ってもらえる自己紹介文を作成
• トーン: 親しみやすく、誠実さが伝わる文章
• 長さ: 200〜300文字程度
Prompt(中央のチャット欄に入力)
以下の情報をもとに、直売所やSNS用の自己紹介文を作成してください。
【私の情報】
– 名前:(あなたの名前)
– 所在地:(都道府県・市町村)
– 主な作物:(例:トマト、きゅうり、いちご など)
– 農業歴:(例:15年)
– こだわり:(例:減農薬栽培、土づくり など)
– 伝えたいこと:(例:子どもにも安心して食べさせられる野菜を作りたい など)
Temperature設定: 0.5 〜 0.6(バランス型)
⏱ 所要時間:約5分
✉️読者の声をお聞かせください
感想、実践報告、読みたい記事のリクエストなど、お気軽にお寄せください!

