🚀 プログラミング知識ゼロでも本格アプリ。農家のためのGoogle「Antigravity」超入門
AIが「計画→開発→テスト」まで全部やってくれる、次世代のアプリ開発ツール
「前回、AI StudioのBuildモードで農薬希釈計算ツールを公開できた!」
「でも、もう少し機能を足したい…と思って指示を出したら、なんかうまく動かない。」
「エラーが出て、AIに聞いても直らない。何回もやり取りしてるうちに、ぐちゃぐちゃに…」
…そんな経験、ありませんか?
前回の記事では、AI Studioの Buildモード を使って、ブラウザだけでアプリを作り、ワンクリックで公開する方法をご紹介しました。コピペも不要で、かなり便利でしたよね。
でも実は、あの「修正のやり取り」をもっとスムーズにしてくれるツール が登場しています。
それが、Googleが開発した 「Antigravity(アンチグラビティ)」 です。
- Antigravityとは何か(AI Studio Buildモードとの違い)
- 農業現場でどう役立つのか
- 初心者でもできる導入手順(無料)
- 知っておきたいメリットと注意点
- 今日から試せる5分アクション
🌱 「Google Antigravity」ってなに?
Antigravity(アンチグラビティ) は、直訳すると 「反重力」 。
「重力=これまでプログラミングにかかっていた重荷」を取っ払う、という意味が込められています。
ひと言で説明すると、AIが「計画を立てる → コードを書く → テストする → エラーがあれば自分で直す」を全部自律的にやってくれる、無料の開発ツール です。

「え、Buildモードでも修正してくれたじゃん?」
そうですよね。大きな違いはここです:
- AI Studio Buildモード(前回) = AIがアプリを作ってくれる。でも 修正は1つずつ人間が指示 する。エラーも 自分で気づいて伝える 必要があった
- Antigravity(今回) = AIが 最初に計画を立て、実行し、自分でテストして、エラーも自分で見つけて直す 。あなたは最終結果を見て「OK」か「ここ直して」と言うだけ
🚜 農業でたとえると?
前回の記事では、Buildモードを「JAの窓口で注文したら配達までやってくれるようなもの」と例えました。
今回の進化を、同じ流れでたとえるとこうなります:
つまり、「修正を1つずつ指示する人」から「最終判断をする経営者」に、もう一段役割が上がる ということです。
📊 AI Studio Buildモード と Antigravity、何が違う?
| Google AI Studio | Google Antigravity | |
|---|---|---|
| あなたの仕事 | 「作って」→ プレビュー確認 →「ここ直して」を繰り返す | 「作って」→ 計画を承認 → 最終結果を確認 |
| AIの動き方 | 指示のたびに1つずつ修正(人間が主導) | 計画 → 実行 → テスト → 修正を自律的に回す |
| エラー対応 | エラーに気づいたら自分で「これ直して」と伝える | AIが自分でエラーに気づいて自分で直す |
| ファイル管理 | ブラウザ内で自動管理 | PC上で複数ファイルを自動管理(より本格的) |
| 公開 | ワンクリックでDeploy(URL発行) | 自分でサーバーに公開(やや上級) |
| 動作環境 | ブラウザだけでOK | PCにインストールが必要 |
| 料金 | 無料 | 無料 |
| 向いている人 | 手軽に作って公開したい人 | もっと本格的なアプリに挑戦したい人 |
サッと作ってすぐ公開したいなら Buildモード が最適。もっと複雑な機能やファイル構成に挑戦したいなら Antigravity 。目的に応じて使い分けましょう。
🔧 農家でもできる!Antigravity 導入手順(3ステップ)
必要なもの: パソコン(Windows / Mac)、Googleアカウント、インターネット環境
ステップ① ダウンロードとインストール(5〜10分)
【画面1】公式サイトからダウンロード
- ブラウザで antigravity.google にアクセス
- 「Download」ボタンをクリック(Windows版 / Mac版を選択)
- ダウンロードしたファイルを開いて、画面の案内に従ってインストール

【画面2】「Start fresh」を選ぶ
- 起動すると「Start fresh」か「Import」を選ぶ画面が出ます → 「Start fresh」を選択

【画面3】AIの自動化レベル → キーボード設定(ここが重要!)
「AIにどこまで自動でやらせるか」を選ぶ画面 が表示されます → 「Review-driven development(RECOMMENDED)」を選択

| 選択肢 | 意味 | 初心者向け? |
|---|---|---|
| Strict | AIは提案だけ。実行は全部自分で判断 | △ 慎重すぎて大変 |
| Review-driven ← これ! | AIが計画→あなたが確認→OKしたら実行 | ◎ 初心者に最適 |
| Agent-driven | AIがほぼ全自動で進める | × 何が起きたか分かりにくい |
| Custom | 細かくルールを自分で設定 | × 上級者向け |

続いて「Keybindings」と「Extensions」を選ぶ画面が出ますが、何も変えずにそのまま「Next」を押してください。この画面は開発者向けの細かい設定です。初めての方はデフォルト(Normal+Recommended)のままで大丈夫です。
【画面4】Googleアカウントでログイン
Googleアカウントでログイン します(AI Studioと同じアカウントでOK)

【画面5】利用規約に同意
ポリシー(利用規約)が表示されます → 内容を確認して 「同意」 を押す
✅ これでセットアップ完了です! チャットのような入力欄が表示されたら、Antigravityが使える状態になっています。

【画面6】🇯🇵 メニューを日本語化しよう(おすすめ!)
Antigravityの画面は初期状態だと英語ですが、メニューを日本語に変えることができます。AIへの指示は元から日本語でOKですが、メニューやボタンも日本語になるとさらに安心です。
- 画面の 左側にあるブロック崩しのようなアイコン(Extensions=拡張機能)をクリック
- 上部の検索バーに 「Japanese」 と入力
- 「Japanese Language Pack for Visual Studio Code」 が表示されたら 「Install」 をクリック
- インストールが完了すると、右下に 「再起動しますか?」 と表示されるので 「Restart」 を押す
- 再起動後、メニューが日本語に切り替わります 🎉

ステップ② 最初の指示を出してみる(3分)
インストールが完了すると、チャットのような入力欄が表示されます。
ここに、Buildモードのときと同じように 日本語で指示を入力 します。
たとえば、前回Buildモードで作った農薬希釈計算ツールを「もっと本格的に」したいなら:
農薬の希釈計算ができるWebアプリを作ってください。
基本機能:
– 水の量(リットル)と希釈倍率(倍)を入力する
– 「計算」ボタンを押すと、必要な農薬量(ml)が表示される
– よく使う倍率(500倍、1000倍、2000倍)はワンタッチボタンにする
追加機能(Buildモードでは難しかった部分):
– 使用した農薬名・日付・計算結果を履歴として保存できる
– 履歴を一覧で表示し、CSVでダウンロードできる
– 複数の農薬を登録しておいて、ドロップダウンで選べるようにする
デザイン:
– スマホでも見やすい大きな文字で、緑を基調としたデザイン
注意点:
– 計画段階から日本語でやり取りを進めます

ここからが Buildモードとの大きな違い です。
ステップ③ AIの「計画」を確認して、「OK」を出す(1分)
Antigravityは、いきなりコードを書き始めません。
まず 「こういう計画で進めますが、よろしいですか?」 と聞いてきます。
これが Task Mode(タスクモード) と呼ばれる、Antigravityの心臓部です。
実際に農薬希釈計算ツールを依頼したところ、AIが以下のような 実装計画 を提示してきました:

「農薬希釈計算Webアプリ」実装計画
農薬の希釈倍率を素早く計算し、その結果を記録・管理できるモバイルフレンドリーなWebアプリを構築します。
▶ 提案された変更内容:
- 💻 フロントエンド基盤:緑を基調としたデザイン、大きなフォント、スマホ対応
- 🧮 計算機能:水の量と倍率の入力、500/1000/2000倍のクイックボタン、リアルタイム計算
- 🗂️ 農薬マスタ管理:農薬名の登録・編集・削除、ドロップダウンで選択
- 📊 履歴保存:過去の計算履歴を一覧表示、CSVダウンロード機能
▶ 検証計画も提示:
- ☐ 計算精度:水10L×1000倍=10ml など複数パターン
- ☐ スマホ表示:iPhone SEなど小型端末での確認
- ☐ CSV出力:ExcelやGoogleスプレッドシートで開けるか
- ☐ データ保存:リロードしても履歴が残るか
ここで注目してほしいのは、2つのポイントです:
今回のAIは、「データはブラウザのLocalStorageに保存するので、キャッシュを消すとデータが消えます」と事前に知らせてくれました。Buildモードでは、こういった 「作る前に知っておくべきこと」 をAIが先に教えてくれることはありませんでした。
Buildモードでは「作ったら自分で確認」でしたが、Antigravityは 「何をどうテストするか」まで計画に含めてくれます。「計算精度」「スマホ表示」「CSV出力」「データ保存」と、確認すべき項目が明確です。
あなたは この計画を読んで「OK」と返すだけ 。

すると、AIが ファイルの作成からコーディング、テストまで全部自動で進めてくれます 。
途中でエラーが出ても、AIが自分で気づいて修正 します。Buildモードのように「エラーが出たんだけど…」と伝える必要はありません。

完了すると「できました。確認してください」と報告が来るので、プレビューで見て、気になるところがあれば:
- 「文字をもっと大きくして」
- 「計算ボタンの色をオレンジにして」
- 「履歴の表示順を新しいものが上に来るように変えて」
と伝えるだけ。AIがまた計画を立て直して、自動で修正してくれます。

ステップ④ 完成したアプリをブラウザで確認する(1分)
AIがアプリを作り終えたら、実際にブラウザで動かしてみましょう。Antigravityの「ターミナル」という機能を使います。
パソコンにコマンド(命令)を入力する黒い画面のことです。Antigravityの中に最初から組み込まれているので、別のソフトを用意する必要はありません。
【手順】ターミナルでアプリを起動する
- Antigravityの画面上部メニューから 「Toggle Terminal」 をクリック
- 黒い画面が表示されたら、以下を そのままコピペ して貼り付け、Enterキー を押します:
- 数秒待つと、ターミナルに以下のような表示が出ます:
- この
http://localhost:5173/の部分をコピーしてブラウザに貼り付けると、アプリが表示されます!

「今作ったアプリを、自分のパソコンの中だけで動かしてみて」という命令です。インターネットに公開されるわけではないので、安心して試してください。自分のパソコンのブラウザだけで見られる「試運転」のようなものです。
「npm install してから npm run dev して」とAIのチャットに伝えてみてください。AIが必要な準備を自動で行ってくれます。
実際に確認してみましょう:
- ☐ 「水の量:10リットル」「倍率:1000倍」→ 結果「10 ml」と表示されるか?
- ☐ 500倍・1000倍・2000倍のワンタッチボタンは動くか?
- ☐ 農薬名を登録して、ドロップダウンから選べるか?
- ☐ 計算履歴が一覧に表示され、CSVダウンロードできるか?
- ☐ ブラウザをリロードしてもデータが残っているか?
ターミナルで Ctrl + C(Macは Cmd + C)を押すと、アプリの試運転が終了します。次回また見たいときは、同じように npm run dev を実行すればOKです。
🧠 覚えておきたい「2つのモード」
Antigravityには、場面に応じた 2つの使い方 があります。
- 「このエラーって何?」「CSVファイルの読み込み方を教えて」など
- AIが質問に答えてくれる、普通の会話モード
- AI Studioのチャットに近い使い心地
- 「アプリを作って」「この機能を追加して」など、実際に手を動かす指示
- AIが Plan(計画)→ Execute(実行)→ Verify(検証) の3ステップを自動で回す
- こちらがAntigravityの真骨頂
- Chat Mode = 営農指導員に電話で相談する(答えをもらう)
- Task Mode = 農場マネージャーが計画書を持ってきて、承認したら全部やってくれる
🌾 農業現場での活用イメージ
Antigravityなら、Buildモードで作ったツールの 「もう一歩先」 が実現できます。
| やりたいこと | AI Studio Buildだと… | Antigravityだと… |
|---|---|---|
| 農薬希釈計算ツール | 計算+ワンタッチボタンまで | + 農薬マスタ登録、使用履歴保存、CSV出力まで |
| 積算温度アプリ | 入力・計算・グラフ表示まで | + 目標到達の通知、複数圃場の管理、年度比較まで |
| 出荷記録アプリ | 入力フォーム+一覧表示まで | + データベース連携、月次レポート自動生成まで |
| 直売所の予約管理 | フォーム+一覧表示まで | + カレンダー表示、在庫連動、自動返信まで |
✅ Antigravityの「いいところ」3つ
Buildモードでは「あれ、動かない…」と自分で気づいて「これ直して」と伝える必要がありました。Antigravityは エラーを自分で検知して、自分で修正 してくれます。あなたが気づく前に直っている、ということも。まさに「優秀な農場マネージャー」です。
Buildモードは「シンプルで便利なツール」を作るのが得意でした。Antigravityは 複数のファイルにまたがるような、もう少し本格的なアプリ にも対応できます。「履歴管理」「データの保存と検索」「複数画面の切り替え」など、Buildモードでは難しかった機能に挑戦できます。
GoogleアカウントがあればOK。追加料金はかかりません。
⚠️ 知っておきたい注意点
正直にお伝えします。
Buildモードはブラウザだけで使えましたが、Antigravityは PCにインストールするソフト です。スマホやタブレットでは使えません。
Buildモードの「Deploy」ボタン1つでURL発行、という手軽さはAntigravityにはありません。公開するには少し追加の手順が必要です。「サッと作ってすぐ共有」ならBuildモード、「じっくり作り込む」ならAntigravity と使い分けるのがおすすめです。
インターフェースは初期状態だと英語ですが、ステップ①で紹介した「日本語化」を行えばメニューも日本語になります。AIへの指示はもちろん日本語でOKです。
Buildモードの「80〜85点」がAntigravityでは 「85〜90点」まで引き上がる イメージです。ただし、一般公開レベルの完璧なアプリにするには、まだ専門知識が必要な場面もあります。
これは毎回お伝えしていますが、大切なことなので何度でも。特に農薬の使用量など、安全やお金に関わる部分はAI任せにしない でください。
✅ 今日から試せる!5分アクション
- パソコンで antigravity.google にアクセスして、ページを眺めてみる
- 「Download」ボタンがあることを確認する(まだ押さなくてOK)
- 前回Buildモードで作ったツールを使ってみて、「もっとこうなったら便利なのに」 という改善点を1つメモしておく
たとえば…
- 「農薬の名前も一緒に記録できたらいいのに」
- 「先月の散布履歴を振り返れたら便利だな」
- 「複数の圃場ごとに積算温度を管理したい」
そのメモが、Antigravityへの最初の「指示」になります。
📐 ステップアップ:3つのツールの使い分け
ここまでの記事で、Vibe Codingの「段階」が見えてきたのではないでしょうか。
| ステップ | ツール | できること | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| Step 1 | AI Studio チャット | コードを生成(コピペで使う) | 仕組みを理解したい・学びたい |
| Step 2 | AI Studio Build | ブラウザ内で完成・ワンクリック公開 | サッと作ってすぐ共有したい |
| Step 3 ← 今ここ | Antigravity | AIが計画〜テストまで自律的に実行 | もっと本格的なアプリに挑戦したい |
大切なのは「どれが一番」ではなく、目的に合ったツールを選ぶこと です。
- パートさんにすぐ共有したい計算ツール → Buildモード
- 出荷データの管理や分析まで含めた本格アプリ → Antigravity
- 「そもそもどう作るの?」を理解したい → チャットモード
農機具と同じで、用途に合った道具を使い分ける のが一番です。
まとめ
- Google Antigravity = AIが計画・実行・テスト・修正まで 自律的に やってくれる、無料の次世代Vibe Codingツール
- Buildモードとの最大の違いは 「エラーを自分で見つけて直す」自律性
- 2つのモード:聞きたいときはChat Mode、作ってほしいときはTask Mode
- Buildモードで作った80点のツールを、85〜90点に引き上げる のに最適
- PCインストールが必要・公開の手軽さはBuildが上・英語画面 は正直にお伝えします
- BuildモードとAntigravityは「使い分け」が正解。目的に合った道具を選ぼう
- まずは公式サイトを覗いて、「Buildで作ったツールの改善点」を1つメモするところから
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