【農家の確定申告】2026年の税制改正とAI活用、押さえるべき3つのこと
〜 農業に集中するために、経理はAIに任せる時代へ 〜
第1部:2026年度税制改正の要点
📌 ポイント①:年収の壁が178万円に引き上げ
所得税がかかり始める「年収の壁」が、従来の103万円から178万円に引き上げられます。
| 項目 | 改正前 | 改正後(2026年〜) |
|---|---|---|
| 基礎控除(本則) | 48万円 | 62万円 |
| 基礎控除の特例 | 最大37万円 | 最大42万円 |
| 給与所得控除(最低保障額) | 55万円 | 74万円(本則69万円+特例5万円) |
- 農繁期のパート・アルバイトを雇用しやすくなる
- 家族従事者の給与設定の幅が広がる
- 配偶者控除・扶養控除の判定基準も62万円以下に引き上げ
参考URL:自由民主党|令和7年度税制改正大綱
📌 ポイント②:インボイス制度の経過措置
免税事業者からインボイス発行事業者になった方向けの経過措置が延長されます。
| 期間 | 納税額の軽減割合 |
|---|---|
| 〜2026年9月 | 売上税額の2割で納税(2割特例) |
| 2026年10月〜2028年9月 | 売上税額の3割で納税(3割特例) |
農産物直売所やマルシェでの販売、JAを通さない直接取引が増えている農家にとって、インボイス対応は避けて通れない課題です。
参考URL:フリーランス協会|2026年度税制改正
📌 ポイント③:その他、農家に関連する改正
- 少額減価償却資産の特例:上限が30万円未満から40万円未満に引き上げ(トラクターの付属品や農機具の購入に活用可能)
- 事業承継税制:特例承継計画の提出期限が2027年9月末まで延長
- 農地の納税猶予特例:公共事業で農地を譲渡した場合の利子税免除が5年延長
第2部:AIで変わる農家の経理業務
🤖 なぜ今、AIなのか?
2026年から税務署に次世代システム(KSK2)が導入され、AIを活用した税務調査が本格化します。
同業他社との比較、過去データとの比較から、異常値を自動検出します。
これからの確定申告に求められること:
- 日々の取引を正確に記録する
- 証憑(レシート・請求書)をきちんと保存する
- 一貫性のある会計処理を行う
→ これらをAIツールで効率化することが、農家の経理負担を減らす鍵になります。
参考URL:マネーフォワード|次世代KSKシステムとは
🌾 農家におすすめのAI活用法
1. クラウド会計ソフトの導入
| ソフト | 特徴 | 農家向けポイント |
|---|---|---|
| マネーフォワード | 機能が豊富、分析に強い | 部門別管理(作物別・圃場別の収支把握) |
| freee | 操作がシンプル、経理未経験者向け | スマホで領収書撮影→自動仕訳 |
| 弥生会計 | 老舗の安心感、税理士連携◎ | 農業所得の申告に対応 |
- 複数の作物・事業を管理したい → マネーフォワード
- 経理が苦手 → freee
- 顧問税理士がいる → 税理士と同じソフトを選ぶ
導入事例
株式会社農情人の場合
株式会社農情人では、農家の販促支援やAI導入の支援、書籍の販売やデジタル資産(会員証NFT)の販売など事業が多岐にわたるため、部門別管理に強いマネーフォワードを導入しています。
💡 複数の収益源を持つ農業関連ビジネスでは、事業ごとの収支を把握できるクラウド会計が便利です。
2. レシート・領収書の自動読み取り(OCR)
農作業の合間に溜まったレシートの山…。AIを使えば、スキャンするだけで自動でデータ化できます。
主な方法:
- スマホアプリ:マネーフォワードやfreeeのアプリで撮影
- 専用スキャナ:ScanSnapなどで一括スキャン
- AI-OCRサービス:原票会計Sなど
| 読み取り項目 | 精度 |
|---|---|
| 日付・金額 | ほぼ100% |
| 店舗名 | 80〜90%(大手チェーンは高精度) |
| 手書き領収書 | 70〜80%(丁寧な文字なら高精度) |
感熱紙のレシートは時間が経つと消えてしまいます。その日のうちにスキャンする習慣をつけましょう。
3. 生成AI(ChatGPT・Claudeなど)の活用
生成AIは「24時間相談できる経理の先輩」として活用できます。
農家での活用例:
| 場面 | 活用方法 |
|---|---|
| 勘定科目に迷ったとき | 「農機具の修理代は何費?」と質問 |
| 家事按分の計算 | 「軽トラを農業8割、私用2割で使っている場合の按分方法は?」 |
| 確定申告の準備 | 「農業所得の必要経費として認められるものを教えて」 |
| 税制改正の確認 | 「2026年の税制改正で農家に影響があるものは?」 |
AIの回答は「参考情報」です。最終的な判断は税理士や税務署に確認しましょう。
📊 AI活用の費用対効果
| 項目 | 従来の方法 | AI活用後 |
|---|---|---|
| 領収書整理 | 月5時間 | 月1時間 |
| 仕訳入力 | 月8時間 | 月2時間 |
| 確定申告準備 | 延べ30時間 | 延べ10時間 |
| 月額コスト | 0円(自分の時間) | 約2,000〜3,000円 |
時給換算すると、AIツールへの投資は十分に費用対効果は高いです。
まとめ:2026年に向けて農家がやるべきこと
✅ 今すぐ始められること
- クラウド会計ソフトの無料お試しに登録する
- スマホアプリで領収書を撮影する習慣をつける
- 電子帳簿保存法に対応した保存方法を確認する
✅ 年内にやっておきたいこと
- 顧問税理士と2026年の対応方針を相談する
- 家族従事者の給与設定を見直す(年収の壁引き上げを踏まえて)
- インボイス対応が必要か再確認する
✅ 2026年の確定申告に向けて
- 優良な電子帳簿の要件を満たす準備をする
- AI-OCRで証憑のデジタル化を進める
- 生成AIを「経理の相談相手」として活用してみる
5分で試せるアクション
今日のチャレンジ:クラウド会計ソフトの無料お試しに登録しよう
- 「マネーフォワード 確定申告」または「freee」で検索
- 無料お試しプランに登録(クレジットカード不要のものも)
- スマホアプリもダウンロード
- 試しに領収書を1枚撮影してみる
- 自動で読み取られる様子を確認する
所要時間:約5分
確定申告の準備に追われる時間を減らし、本業である農業に集中できる環境を整えましょう。AIは「完璧な自動化」ではありませんが、「大幅な効率化」は確実に実現できます。
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