JAの精算書や出荷伝票、動画に撮ってAIに渡すだけ。農業収入を30分で整理する方法

実践テンプレ
中級

🧾 JAの精算書や出荷伝票、動画に撮ってAIに渡すだけ。農業収入を30分で整理する方法

販路バラバラの売上を「月×販路×品目」の表に自動変換するAI活用術

JAの精算書や直売所の日報、バラバラの売上をひとつの表にまとめるのが一番しんどい…そう思っていませんか?

「JAの精算書はPDF、直売所の日報は手書き、ネット販売の入金は管理画面…毎年どこから手をつけたらいいか分からない」

でも、動画なら話が変わります。PDFを画面に表示して、録画ボタンを押して、ゆっくりページをめくるだけ。撮った動画をAIに渡せば、品目ごと・月ごとの売上表を自動で作ってくれます。

この記事では、パソコンの無料ソフト「OBS」で画面録画して、ChatGPTに読み込ませる方法を、実践動画つきでご紹介します。

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重要なお知らせ

AIの出力はあくまで参考情報です。金額の誤りがないか必ずご自身でダブルチェックしてください。税務に関わる内容は、金額が大きい場合や判断に迷う場合は税理士やJA経営相談窓口に相談するのが確実です。

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この記事でできること
  • 販路バラバラの農業収入が「月×販路×品目」の表に自動変換される
  • ✅ 通帳の入金と突き合わせてズレがないか確認できる
  • ✅ 年合計が出て、収支内訳書や会計ソフトにそのまま転記できる状態になる
  • ✅ 経費として計上できる手数料の勘定科目までAIが教えてくれる

📹 実践動画はこの記事内に3本。録画 → AI解析 → 統合まで、すべて動画で確認できます。

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📚 基礎知識:なぜ「動画」がいいの?

OBS Studio とは?

OBS Studio(オービーエス スタジオ)は、パソコンの画面を録画できる無料ソフトです。WindowsでもMacでも使えます。

農業でたとえるなら、スマホが「手持ちのカメラ」だとすれば、OBSは「畑に固定した定点カメラ」。ブレない、影が入らない、安定した映像が撮れます。

写真じゃなくて動画にする理由

方法 手間 AIの読み取り精度
写真を1枚ずつ撮る 枚数が多いと途中で嫌になる 1枚ずつ渡す必要あり
動画でまとめて撮る 録画ボタン → ページめくり → 停止 まとめて渡せる
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ポイント

PDFが3ヶ月分あっても、動画なら1本にまとまります。「1枚ずつ写真を撮るのが面倒…」という方ほど、動画の楽さを実感できるはずです。

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🎯 ステップ1:OBSで画面録画する(3分)

やること

  1. OBS Studioをダウンロードしてインストール(初回のみ・5分)
  2. PDFを画面に表示する
  3. OBSの録画ボタンを押す
  4. ゆっくりページをめくる(1ページ2〜3秒)
  5. 録画を停止する

これだけで、動画ファイルが保存されます。

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きれいに撮る3つのポイント
  • 1ページ2〜3秒。焦らずゆっくりスクロールしてください
  • 販路別に分けて撮るとAIの精度が上がります(JA精算書で1本、直売所日報で1本)
  • 解像度は720p以上あれば十分です

📱 スマホでもできます:手元に紙の精算書しかない場合は、スマホで動画撮影してもOKです。明るい場所で真上から、1ページ2〜3秒でゆっくりめくって撮影してください。撮った動画をそのままChatGPTにアップロードすれば、同じ手順で解析できます。

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📋 ステップ2:動画をChatGPTにアップして解析する(10分)

OBSで録画した動画をChatGPTに渡します。やり方はとてもシンプルです。

  1. ChatGPTを開く
  2. 動画ファイルをアップロード(ドラッグ&ドロップでOK)
  3. 下のプロンプトをコピペして送信

特別な変換は不要です。動画をそのまま渡すだけで、AIが中身を読み取ってくれます。

農業でたとえるなら、乾燥機にお米を入れてスイッチを押したあと、別の作業をするのと同じ。AIが回っている間は、あなたの手は空いています。

プロンプトA:JA精算書 → 月別売上表に変換

📋 AIへの指示文(コピーして使えます)
この動画は、JA(農業協同組合)から届いた「出荷精算書」をPCの画面上で
ページ送りしながら録画したものです。動画の中に映っている精算書をすべて読み取り、
以下のフォーマットで月別の売上表にまとめてください。【出力フォーマット】
月 | 品目 | 等級 | 出荷量(kg) | 単価(円/kg) | 売上金額(円)さらに、月ごとに以下の精算内訳もまとめてください。【精算内訳フォーマット】
月 | 売上合計 | 販売手数料 | 選果料 | 運賃 | 段ボール代 | 差引精算額最後に、全月を合計した年間サマリーも出力してください。【年間サマリーフォーマット】
品目別の年間売上合計
月別の差引精算額一覧
年間の差引精算額合計■ 注意事項
・金額の単位は円
・動画内の文字が読み取りにくい部分は「読取不明」と記載してください
・手数料の内訳が分けられない場合は「手数料合計」でOKです
・複数月の精算書が含まれている場合は、月ごとに分けて出力してください

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【実践動画①】OBSでJA精算書(ダミーPDF)を画面録画 → ChatGPTに読み込ませて解析する様子
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プロンプトB:直売所売上日報 → 月別集計

📋 直売所日報の解析
この動画は、農産物直売所の「売上日報」を
PCの画面上でページ送りしながら録画したものです。
(手書きの日報をスマホで撮影した動画の場合もあります)動画の中に映っている売上日報をすべて読み取り、
以下のフォーマットで日別の売上一覧にまとめてください。【出力フォーマット①:日別明細】
日付 | 品目 | 数量 | 単価(円) | 売上金額(円) | 備考次に、品目別の月間集計を出してください。【出力フォーマット②:品目別集計】
品目 | 出荷回数 | 合計数量 | 売上合計(円)最後に、月合計と直売所手数料の概算を出してください。【出力フォーマット③:月合計】
月間売上合計:◯◯円
直売所手数料(15%):◯◯円
差引入金額:◯◯円■ 注意事項
・金額の単位は円
・手書きで読み取りにくい部分は「読取不明」と記載してください
・数量の単位(袋、パック、束など)もそのまま記載してください
・備考欄に書かれたメモ(「土曜・多め」「雨で少なめ」など)も
読み取れる範囲で記載してください
・直売所の手数料率が不明な場合は15%で概算してください

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手書きでも大丈夫

AIは手書き文字も読み取れます。ただし字が小さかったり薄かったりすると精度が落ちるので、紙の日報をスマホで撮るときは明るい場所で真上からがコツです。

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【実践動画②】OBSで直売所売上日報(ダミーPDF)を画面録画 → ChatGPTに読み込ませて解析する様子
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⏱️ AI解析の所要時間(実測値)

今回、ダミーデータで実際に試した結果がこちらです。

プロンプト 内容 所要時間
プロンプトA JA精算書3ヶ月分 約3〜4分
プロンプトB 直売所売上日報3ヶ月分 約7〜8分

直売所日報のほうが時間がかかるのは、日別明細の行数が多いためです。送信したら、待っている間に他の作業をしてOKです。

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🔧 ステップ3:AI出力を確認・統合する(10分)

ステップ2でプロンプトA・Bの出力結果が出たら、それをまとめて統合プロンプト(プロンプトC)に貼り付けます。

これは選果のあとの「箱詰め」の工程です。JA分と直売所分をひとつの表にまとめて、通帳の数字と合っているか確認して、確定申告に書く数字まで教えてもらいます。

プロンプトC:販路別の出力を統合 → 年間売上表+突合+転記ガイド

📋 統合プロンプト
以下は、農業収入の販路別にAIで集計した結果です。
これらを統合して、「販路別×月別」の年間売上一覧を作ってください。【JA出荷の集計結果(プロンプトAの出力)】
(ここに貼り付ける)【直売所の集計結果(プロンプトBの出力)】
(ここに貼り付ける)──────────────────────■ 出力①:販路別×月別 年間売上一覧【フォーマット】
月 | JA出荷(売上) | JA出荷(差引精算額) | 直売所(売上) | 直売所(差引入金額) | 月合計(売上) | 月合計(差引入金額)・最終行に年間合計を入れてください──────────────────────

■ 出力②:品目別 年間売上ランキング

【フォーマット】
品目 | JA出荷 | 直売所 | 合計 | 構成比(%)

・JA出荷と直売所の両方で扱っている品目は合算してください
・直売所のみで扱っている品目(枝豆・ピーマンなど)も含めてください
・売上金額の大きい順に並べてください

──────────────────────

■ 出力③:通帳との突合チェック

以下の情報と照合して、ズレがないか確認してください。

・JA出荷の通帳入金合計(3ヶ月分):◯◯円
・直売所の通帳入金合計(3ヶ月分):◯◯円

ズレがある場合は、考えられる原因を挙げてください。
(例:手数料の差引タイミング、振込日のずれ、返品、
端数処理、記載漏れ など)

──────────────────────

■ 出力④:確定申告への転記ガイド

上記の結果をもとに、以下を教えてください。
・収支内訳書の「収入金額」欄に記入すべき数字
・経費として計上できる手数料の合計(販売手数料・選果料・運賃など)
・会計ソフト(freee/マネーフォワード)に入力する場合の勘定科目

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ここが本丸です

読者がやるのは「読む」じゃなくて「貼る」。プロンプトA・Bの出力をコピペして貼り付けるだけで、年間の売上表から確定申告の記入数字まで一気に完成します。

📹
【実践動画③】プロンプトCの入力から出力結果までの様子
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プロンプトCが出してくれるもの

プロンプトCを送信すると、AIが4つの表・レポートを一気に作ってくれます。

出力①:販路別×月別 年間売上一覧

JA出荷(売上) JA出荷(差引精算額) 直売所(売上) 直売所(差引入金額) 月合計(売上) 月合計(差引入金額)
7月 252,150 220,638 29,960 25,466 282,110 246,104
8月 260,350 226,852 37,950 32,257 298,300 259,109
9月 198,800 172,996 21,650 18,402 220,450 191,398
合計 711,300 620,486 89,560 76,125 800,860 696,611

出力②:品目別 年間売上ランキング

品目 JA出荷 直売所 合計 構成比
トマト 464,200 22,960 487,160 60.8%
きゅうり 135,300 5,400 140,700 17.6%
なす 111,800 23,700 135,500 16.9%
枝豆 0 17,750 17,750 2.2%
ミニトマト 0 10,000 10,000 1.2%
里芋(早生) 0 5,400 5,400 0.7%
ピーマン 0 4,350 4,350 0.5%

品目別の構成比が出ると、「うちの稼ぎ頭はトマトで6割」と一目でわかります。来年の作付け計画にも使えるデータです。

出力③:通帳との突合チェック

今回のダミーデータでは、JA・直売所ともに通帳の入金額が集計より660円少ないという結果が出ました。AIの推理は「振込手数料(330円×2回=660円)が差し引かれている可能性が最有力」。

ここがAIのすごいところで、金額のズレの理由まで推定してくれます。

出力④:確定申告への転記ガイド

記入先 金額
収支内訳書「収入金額」 800,860円(=JA売上711,300 + 直売所売上89,560)
経費:支払手数料 販売手数料56,904円 + 選果料14,910円 + 直売所手数料13,435円
経費:荷造運賃 運賃11,500円
経費:荷造包装費 段ボール代7,500円
手数料等 合計 104,249円
⚠️
大事なポイント

収支内訳書に記入するのは「通帳に入金された金額」ではなく、「手数料を引く前の売上金額(総額)」です。手数料は経費として別に計上します。AIがこの整理まで自動でやってくれるので、迷わずに済みます。

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📝 ステップ4:収支内訳書・会計ソフトへ転記する(5分)

ステップ3でプロンプトCが出してくれた数字を、そのまま転記するだけです。

会計ソフト派(freee / マネーフォワード)

通帳の入金が「差引後」で入ってくるので、仕訳は分割入力がおすすめです。たとえば7月のJA入金なら:

勘定科目 金額
普通預金(入金) 220,638円
売上高 252,150円
支払手数料 20,172円
荷造運賃 3,800円
荷造包装費 2,500円
その他(選果料) 5,040円

こうすると「売上(総額)」と「経費(内訳)」がきちんと分かれて、あとから検算しやすくなります。

手入力派(収支内訳書に直接記入)

収支内訳書の「収入金額」欄に年間売上合計(800,860円)を記入。経費の各欄にプロンプトCの出力④の金額をそのまま転記します。

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📋 迷う論点は”判断表”で最短化

AIで売上の整理はできますが、確定申告には「AIに聞いても答えが出にくい」判断ポイントがあります。そこは下の表で最短化しましょう。

迷うポイント 農家あるある 判断の目安 迷ったら
自家消費 「家で食べた米、いくらで計上する?」 収穫時の通常販売価格の70%が目安 AIに「◯◯の市場価格」と聞いて参考にする
雑収入との区分 「JA配当は農業所得?」 JA配当金 → 配当所得(農業所得ではない) “要確認”と書いて次へ
補助金・助成金 「経営継続補助金はどこに?」 農業に使った補助金 → 農業所得の収入 通知書を税理士に見せるのが確実
家事按分 「軽トラ、農作業にも買い物にも使う」 使用割合で按分(農業80%なら経費の80%) 日誌やメモがあると按分根拠になる
減価償却 「トラクターの償却、まだ残ってる?」 初年度だけ設定が重い。翌年はコピーでOK 前年の申告書を見て転記
💡
迷ったら立ち止まらない

“要確認”にして先に進めば、全体の8割は終わります。残りは税理士さんやJAの経営相談窓口に聞くのが確実です。

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✅ 最終チェックリスト(5分)

すべてのステップが終わったら、最後にこれだけ確認してください。





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🔍 AIに聞くときのコツ

▶ 販路別に動画を分けて渡す

JA精算書で1本、直売所日報で1本、と分けて撮るとAIの読み取り精度が上がります。「全部まとめて1本」より正確な結果になります。

▶ 出力フォーマットを指定する

プロンプトに「表形式で」「月別に分けて」と書くだけで、AIが整理された形で出力してくれます。曖昧に聞くより、欲しい形を伝えましょう。

▶ 読み取り結果は必ず原本と照合する

AIは読み取りミスをゼロにはできません。出力された数字を、元の精算書・日報と見比べてダブルチェックしてください。

▶ 「読取不明」が出たら、その部分だけ手入力

動画の画質が悪い部分はAIが「読取不明」と出します。無理に再撮影するより、その部分だけ手で直すほうが早いです。

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⚠️ AIを使う際の注意点

🚨
必ず確認してください
  • AIの出力は参考情報です。金額が大きい場合は原本と必ず照合を
  • PDFの画質や手書きの読みやすさによって読み取り精度が変わることがあります
  • 税務に関わる判断は税理士やJA経営相談窓口に相談してください
  • AIは「選果機」であって「検品する人の目」ではありません。最後の確認はご自身で
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❓ よくある質問

Q1:動画が長すぎるとAIが読み取れない?
ChatGPTにアップロードできる動画の長さには制限があります。1本あたり3〜5分以内を目安にしてください。精算書が多い場合は、数ヶ月分ずつに分けて撮影・アップロードしましょう。
Q2:直売所の手書き日報がうまく読み取れなかったら?
字が薄い・小さい場合は精度が落ちることがあります。明るい場所で真上から撮影するのがコツです。それでも「読取不明」が多い場合は、読み取れなかった部分だけ手入力で補ってください。
Q3:ネット販売(食べチョクなど)の売上も同じ方法でできる?
管理画面をOBSで録画すれば同じ手順で解析できます。プロンプトAを参考に、「ネット販売プラットフォームの売上管理画面を録画した動画です」と書き換えてください。
Q4:去年のプロンプト出力を使い回せる?
プロンプトはそのまま使い回せます。「令和◯年分」の部分だけ書き換えて、新しい年の精算書を録画してアップすればOKです。
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✅ 今日から試せる!5分アクション

  1. OBS Studioをインストールする(5分)
  2. 手元にあるJAの精算書を1枚だけ画面に表示して、録画してみる(1分)
  3. プロンプトAをコピペして、ChatGPTに動画と一緒に送ってみる(1分)

それだけで「あ、品目ごとの表ができた!」を体験できます。
試してみて「直売所の手書き日報が読み取れなかった」「金額がズレた」などあれば、コメントで教えてください。プロンプトを改善していきます。

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まとめ

販路バラバラの農業収入も、動画に撮ってAIに渡すだけで整理できます。

STEP 1
OBSで精算書・日報を画面録画する(3分)
STEP 2
動画をChatGPTにアップしてプロンプトで解析(10分)
STEP 3
AI出力を統合して年間売上表を完成(10分)
STEP 4
収支内訳書・会計ソフトに転記(5分)

合計約30分。毎年同じプロンプトが使い回せるので、来年はもっと楽になりますよ!

💬読者の声をお聞かせください

この記事に関するご質問・ご感想をお待ちしています。




この記事は農家の皆さんのAI活用を応援するために作成しました。
ご質問やご感想があれば、ぜひお寄せください。

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